★ 昭和23(1948)年12月10日、国際連合第3回総会で世界人権宣言が採択されました。世界人権宣言は、基本的人権尊重の原則を定めたものであり、それ自体が法的拘束力を持つものではありませんが、初めて人権の保障を国際的にうたった画期的なものです。なお、世界人権宣言で規定された権利に法的な拘束力を持たせるため、2つの国際人権規約が採択され、その後も個別の人権を保障するためにさまざまな条約が採択されています。
★ 国際連合は、昭和25(1950)年12月4日の国連総会で、世界人権宣言採択日の12月10日を人権デーと定め、日本では、世界人権宣言が採択された翌年の昭和24(1949)年、毎年12月10日を最終日とする1週間を「人権週間」と定め、多くの人に人権を考えてもらう期間としています。
★ 西成区役所では、人権週間の期間内に西成区人権啓発推進員の皆さんと街頭啓発活動を行う他、区役所1階で人権啓発パネル展を開催します。
◆人権とは?
人権とは、誰もが生まれながらにして持っている、人間として幸せに生きていくための権利です。人にはそれぞれ、違い(個性)があります。誰もが平等で幸せに生活できるよう、違いを認め、お互いを尊重することが大切です。
◆西成区人権啓発推進員
西成区における地域に根ざした人権施策の推進を図るため、大阪市から委託を受け、人権啓発事業の運営や市民に対する人権啓発に関する業務に取り組む市民ボランティアです。
現在31名の方が、会議や研修会へ参加するほか、映画会の運営協力や人権啓発活動等で活動されています。
◆人権コラム
今回のテーマは、「「多様性(十人十色)」です。
読書から考える人権
大阪市立西成図書館 館長 小笠原智香(おがさはらちか)
読書は、大人だけではなく、子どもにとっても、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていくうえで欠くことのできないものです。
今回、「十人十色」をテーマに子どもたちにも易しく伝わるような絵本を紹介します。これを機会に、「多様性(ダイバーシティ)」について考えてみませんか。
◇人権をテーマにした絵本の紹介
『みんなとちがうきみだけど』
ジャクリーン・ウッドソン/作 ラファエル・ロペス/絵
都甲幸治(とこうこうじ)/訳 汐文社(ちょうぶんしゃ)
初めて教室に入ったら、「きみ」はみんなとちがうかもしれません。それは、はだの色かもしれません。もしかしたら服かも。言葉がちがうから、何を言っているかわからないかもしれません。かけっこが早すぎたり、走る距離が長すぎたり、やり方がわからなくて、みんなと遊べないことも。それぞれの「きみ」は不安でいっぱいだったけれども、お互いを知ることによって少しずつ距離が近づいていきます。初めての場所で、誰も知らない人の中で、最初の一歩を踏み出すことはとても難しい。勇気を持ってそれを乗り越え、自分の居場所を見つけてい
く「きみ」の姿が、語り口の文章とともにいきいきと描かれています。ともだちのみんなは、ちょっとだけ「きみ」に似ていて、そして、ぜんぜん似ていない。みんなとちがっていることを「すばらしいことにね」と締めくくる言葉が心に残ります。
問合せ:市民協働課 7階73番窓口
【電話】06-6659-9734
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