■LGBTQ当事者が居場所とつながることの大切さについて(第4回)
私がLGBTQ当事者の人と初めて出会ったのは、オンラインのSNSがきっかけだった。当時、短大生で未治療だった私は、衝撃を受けた。理由は、出会ったFTM(女性から男性)のトランスジェンダーの方々は外見も男性にしか見えず、職業も医師、会社員と好きな仕事を楽しんでいたからだ。「自分にもこんな未来があるのかもしれない」と気分が高揚したのを今も覚えている。
その後、2015年ごろから参加していたのが、「つながりカフェ」。LGBTQ当事者やALLY(アライ)※がお茶をしながら安心して性のことを話せるコミュニティだ(阪部(さかべ)すみと氏が主催)。参加し続けることで気持ちが軽くなっていった。
なぜ、LGBTQが居場所とつながることが大切か?私が感じた3つの理由がある。
1つ目は、自分の心に嘘をつかなくても良くなったこと。自分をオープンにできる空間で、自己肯定できるようになっていった。
2つ目は、多様なLGBTQ当事者やALLYの方々との出会えたこと。誰にも言えなかった学校や職場での悩みを共有したり、性別適合手術についても経験者の話を聞くことができた。仲間や応援してくれる人たちと気持ちを共有することで1人じゃないと思えた。
3つ目は、自分のできることで社会とつながり始めたこと。LGBTQ講演活動を全国で行うようになり、出会いがきっかけでみのりさんが代表の特定非営利活動法人MixRainbow(ミックスレインボー)や、富田林市LGBTQコミュニティ「にじいろブーケ」でも居場所作りに関わるようになった。
認定NPO法人ReBit(りびっと)のアンケートによると、10代LGBTQの48%が自殺念慮、14%が自殺未遂を過去1年で経験。9割超が教職員・保護者に安心して相談できていない。そんな現状がある。1人でも気持ちに寄り添ってくれる人がいたら、それはその人にとっての居場所となる。まずは、ぜひ、LGBTQ当事者と出会う機会を作ってもらえたらうれしい。
※LBGTQ当事者の人たちに寄り添いたいと考え、支援する人
問合せ:人権市民相談課
【電話】06-6992-1512
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