■ゲームで技磨きプロに年間王者めざす
レーシングドライバー
岡本 大地(おかもと だいち)さん(26歳・小路南町)
ゲーム好きが高じてモータースポーツの世界へ―。自動車レースを疑似体験できるレーシングシミュレーターで腕を磨き、市販車のレースに参戦して6年目。今年は「飛躍の年に」と年間チャンピオンを目指しています。
◇高校生で世界トップ40に
高知県土佐市生まれ。車好きの父親の影響で「物心ついた頃には車のゲームで遊んでいました」。夢中になったのは高校生のとき。木で組み立てた運転席に中古のハンドルやアクセルを取り付け、家にあったプロジェクターでレースの画面を映し出すシミュレーターを自作。学校から帰ると練習に没頭しました。
3年生のとき、1000分の1秒を争うタイムアタックの成績次第で実際のアメリカのレースに参加できるオンラインの大会にエントリー。日本人でただ一人、世界の上位40人に入り、「初めて本当のレースに出てみたいと思いました」。
◇「意外と走れました」
すると間もなく岡山のチームに所属し、韓国のレースに出る機会が巡ってきました。ところが運転免許証がないと参加できず、両親と高校に頼み込んで自動車教習所に通い取得。初レースで3位になり「シミュレーターと同じような感覚で運転でき、意外と走れました」と話し、この経験が〝人生のターニングポイント〞となりました。
高校を卒業すると、サーキット場がある三重県鈴鹿市の〝レース村〞に転居。カーレーサーの養成所でテクニックを磨きながらレース関係者との人脈づくりにも努め、21歳のときに公道も走行できる市販車レースでプロデビューを果たしました。
◇主戦場は市販車レース
これまでスーパーFJというフォーミュラカーの大会で2年連続のチャンピオンに輝きました。4人のドライバーが交代で運転するスーパー耐久シリーズにも参戦していますが、主戦場は、今も陸上の短距離種目に例えられる市販車レースのプロクラス。「改造は出来ず、タイヤの性能をいかに引き出せるかが勝敗の分かれ目です」。
国内のトップドライバーが参戦し、デビュー当初は「いつもビリ争い」。しかし徐々に順位を上げて表彰台にも立ち、使用タイヤのメーカーが変わった昨シーズンは見事、開幕戦で優勝しました。
◇「いい走りで年間王者を」
市販車がベースなのでエアコンも装備していますが、パワーが落ちる冷房は使いません。逆に「外気を取り入れてエンジンを冷やすために暖房を付けて走り、夏場はすごくきついです」。
それでも「勝った負けたで心が動かされる日々が楽しく、やりがいを感じています」。今シーズンの目標は年間王者。「ドライバーの注目度が高いレースでいい走りをすれば、目指している国内最高峰のスーパーGT参戦にもつながります」と意気込みます。
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