岬町地域おこし協力隊(カソク装置)の二人が岬町の魅力をカソク(加速)させている人物や場所に出向いてインタビューをするページです。
■岬町介護者(家族)の会「ほほえみ」会長・田中繁樹(たなかしげき)さん
「あなたに人の痛みはわからないでしょ?」
相手の痛みを知るために飛び込んだ「介護」という世界で見えた現実。
─田中さん、「ほほえみ」ってどんな目的で活動されている会なんですか?
「『ほほえみ』では、介護することによって、生きづらさや悩みを抱えた人たちが、仲間と出会い、同じ悩みを共有し、互いの思いやりの気持ちを深め、安心して心を寄せることができる人間関係と『ほほえみこぼれる介護』を目指して活動しています。」
─具体的にはどんな活動をされているのですか?
「6つの場を定めて活動しています。」
─6つの場というのは?
「(1)[学ぶ場]では警察による防犯教室「特殊詐欺防止」について学んだりしています。(2)[楽しめる場]ではリフレッシュ行事やクリスマス会などを開催して会のみなさんに楽しんでもらっています。(3)[集う場]では定期的に「おーぷんかふぇほほえみ」という喫茶を開いて会員さんや住民のみなさまにお越しいただいておしゃべりやミニ講座などを楽しんでもらっています。(4)[共有する場]では泉州地域の介護者家族の会との交流会などでそれぞれの課題を共有し全体の問題として取り組んでいます。(5)[つながる場]では認知症について学んだり、専門職や当事者の方と交流してつながりを深める活動などを行っています。これら5つの場を活用してこれから介護する方、される方がどなたでもほほえむことの出来る6つ目の[ほほえみの場]を作る活動をしています。
─田中さんが介護の現場に深く携わることになったきっかけは?
「私が介護の現場に関わり始めた頃、介護される方から『あなたに人の痛みはわからないでしょ?』と言われた事があるんです。当時の私は『わかりません…』としか答えられませんでした。その時に人の痛みを知るためには、自分が当事者の気持ちにしっかりと寄り添わなくてはならないのだと強く感じました。あの言葉がより深く介護というものに関わっていくきっかけになりましたね。」
─介護の現場に関わり出して気付いたことは?
「介護というのは辛いこと、痛いことがよくあるんです。介護される人だけでなく介護する人にも、それぞれの痛みがあるんです。その気持ちに寄り添うことの大切さを学ばせてもらいましたね。」
─活動にやりがいを感じる瞬間はありますか?
「介護の現場に笑顔が生まれる瞬間や、ありがとうと言ってもらえる事が本当に嬉しいですよ」
─介護に大切なものって何ですか?
「支えあうという気持ちでしょうか。自分も会長という立場ではありますが一人では何もできません。周りのみんなに支えられて、こうして活動できているのが本当にありがたいです。だから支え合いの大切さをいつも忘れないようにしています。」
─田中さんインタビューありがとうございました。
「周りのみなさんに支えられている頼りない会長と見出しには書いといてください(笑)」
─そんな見出し書きませんよ(笑)周りのみなさんから愛されている会長さんだということがとても伝わってきました、ありがとうございました!
インタビューを終えて…
人は自分の痛みには敏感でも誰かの痛みにはなかなか気づきにくいものだと思います。だからこそ田中さんのように誰かの痛みにもっと深く寄り添いたいと思える気持ちには胸を打たれました。辛い環境の中こそ笑顔や思いやりを大切にする気持ちを忘れないようにしようと思います。
この記事を読んで前に金欠だった時にお金を貸してくれなかった相方のジェット君が、次からは僕に救いの手を差し伸べてくれるようになることを期待します。
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