火災様々な原因で発生する「火災」。近年、住宅火災で多くの死者が出ていることをご存じですか。今号では、皆さんの家庭に特に関わりのある「電気火災」と「住宅用火災警報器」についてお知らせします。
■火災の現状を知る
▽高い割合を占める「住宅火災」
消防庁が公表している令和5年中の全国総出火件数は38,672件で、そのうち建物火災は20,974件でした。住宅火災は12,112件発生し、建物火災全体の57.7%を占めています。
岸和田市では、令和5年中に45件の火災が発生し、そのうち建物火災が35件と全体の7割以上の割合を占めている状況です。
出火原因を見ると、電気機器や配線器具を発火源とする、いわゆる「電気火災」が多発しており、全国的に見ても、住宅火災における電気火災の割合が増加傾向にあります。
▽「電気火災」って一体なに?
電気火災とは、電気配線や家電製品などにより発生する火災のことです。例えば、テーブルタップ(延長コード)やコンセント周辺に溜まったホコリに水滴や湿気が加わり火花放電を繰り返す「トラッキング現象」や、たこ足配線による消費電力増がもたらす異常発熱、家具などの下敷きになった電気コードの断線によるショートなど、どの家庭にも起こりうる火災です。
また、モバイルバッテリー(携帯型充電器)の出火にも注意が必要です。バッテリーが妙に熱いなど異常を感じたら、使用を中止して下さい。
■電気火災を防ぐ
▽あちこちに潜む「電気火災」のもと
たこ足配線やトラッキング現象のほか、意外な理由で電気火災が発生することもあります。例えば、つまづき防止など安全面を考え、電気コードを束ねて使用することはよくありますが、束ねて使用すると放熱が妨げられ、コードの温度が上昇し、最悪の場合、発火に繋がる恐れがあります。
また、変形したプラグを使用すると、接触不良による発火の恐れがあります。コードに足を引っかけたり、家電製品を無理に引っ張るとプラグ変形の恐れがあるため、注意が必要です。
▽「今でしょ!」コンセント周り一斉点検
ご紹介したとおり、電気火災はどの家庭にも起こりうる、とても身近で恐ろしい火災ですが、日頃の心がけ次第で防ぐことが可能です。
例えば、年の瀬など毎年決まったタイミングで家中のコンセント周りを一斉点検し、溜まったホコリの除去やたこ足配線のチェック、劣化・破損したコード類の付け替えなどを実施することで、電気火災を未然に防ぐことができます。
また、下記の「いのちを守る10のポイント」を確認し、火災の発生や被害を最小限に留める取り組みを今すぐ始めましょう。
■逃げ遅れを防止!住宅用火災警報器
▽主な死因は「就寝中の逃げ遅れ」
全国の建物火災による死者数は1,195人(令和4年中)。そのうち、建物からの逃げ遅れが全体の4割以上を占めています。時間別にみると、午前0時~6時(就寝中)に多くの死者が発生しています。
逃げ遅れを防ぐには、火災発生をいち早く察知し、避難することが重要です。住宅用火災警報器は、火災で発生する煙や熱を感知し、警報音で火災発生をお知らせします。機器の設置で、死亡や建物損失のリスクが半減する分析結果も出ています。
住宅用火災警報器の設置効果(抜粋:総務省消防庁HP)
▽住宅用火災警報器の設置は「義務」
住宅用火災警報器は、消防法及び条例で設置が義務付けられ、設置場所も指定されています。
就寝中の火災による逃げ遅れを防ぎ、避難経路の安全確保のため「寝室」と「階段上部(寝室が2階以上にある場合)」に必ず設置しましょう(子ども部屋で寝室を兼ねる場合も設置義務有り)。台所やリビングへの設置は努力義務ですが、家族の命を守るため、これらの部屋にも設置しておくと安心です。
現在、本市の一般家庭における設置率は83.2%です。未設置の場合は、すぐに設置しましょう。
▽住宅用火災警報器なんでもQandA
Q.どこで手に入るの?
A.ホームセンターや家電量販店、郵便局などで手に入ります。
Q.取り付けって難しくない?
A.バッテリー式なので電気工事不要。ドライバー1本あれば簡単に取り付けできます。
Q.色んな種類があって選べない…
A.寝室や階段上部には煙感知式を、台所には熱感知式を設置しましょう。
Q.寿命ってあるの?
A.約10年が目安です。時々ボタンを押して、警報音が鳴るかどうか点検してください。
■TOPICS
地震などの自然災害の影響で停電し、電気が復旧した際に時間差で発生する「通電火災」をご存じですか?
床に倒れた暖房器具や破損したコードに通電し、可燃物と接触して出火に至ります。
避難する際は分電盤のブレーカーを切りましょう。また、地震を感知して自動でブレーカーが切れる「感震ブレーカー」の設置を検討しましょう。
モバイルバッテリーなど、リチウムイオンを含む製品を不適切に捨て、ごみ処理施設で出火する事案が本市でも発生しています。
普通ごみなどに混入せず、一部電気店などに設置の回収ボックスへお持ちください。
■住宅防火 いのちを守る10のポイント
出典:総務省消防庁
▽4つの習慣
(1)寝たばこは絶対しない、させない
(2)ストーブ周りに燃えやすいものを置かない
(3)コンロを使うときは火のそばから離れない
(4)コンセントを清掃し、不必要なプラグを抜く
▽6つの対策
(1)ストーブやコンロなどは安全装置付きの機器を使う
(2)住宅用火災警報器を点検し、10年ごとに交換する
(3)部屋を整理整頓し、寝具やカーテンは防炎品を使う
(4)消火器などを設置し、普段から使い方を確認する
(5)高齢者や体の不自由な人の避難経路などを確保する
(6)防火防災訓練への参加など、地域で防火対策を行う
■大切な家を守るために
「全国のみならず、本市でも電気火災が増加しており、その要因の多くは電気器具の維持管理不良や不適切な使用だと考えられます。電気火災は、少しの知識と正しい習慣を身に付けることで防ぐことができますので、今号の特集を読み返していただき、ご家庭の皆さんで防火対策について話し合ってみてください。
また、火災の早期発見のため、住宅用火災警報器の設置が法律で義務付けられています。皆さんの命を守るため、必ず適切な場所への設置をお願いします。
年末を迎え、火災の発生が増加する時節です。日頃の心がけで住宅火災0(ゼロ)を目指しましょう!」
問合せ:予防課
【電話】072-426-8604【FAX】072-426-0900
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