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早食いは「肥満」につながる(第2弾)(1)

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大阪府摂津市

◆国立健康・栄養研究所×摂津市
市民の健康・栄養とウェルビーイングに関する縦断調査(摂津スタディ)結果

昨年(令和6年)の2月~4月に18歳以上の市民を対象にアンケートを実施し、1万4千人を超える回答がありました。調査の結果について、第1弾(広報せっつ10月号(令和6年))では「運動」に関する結果をお伝えしました。第2弾では「栄養・食生活」に関する結果をお知らせします。

◇健康な身体は、正しい栄養から
「栄養・食生活」とは、生命を維持し、人々が健康で幸福な生活を送るために欠くことのできない行為です。そして、栄養・食生活は、多くの生活習慣病や高齢期の健康障害との関連が深く、身体的な健康という点からは、健康維持に必要な栄養素などを摂取することが求められています。

◇アンケート結果第2弾(1)
「ほぼすべての年代で早食いほど肥満者の割合が多かった」
栄養・食生活に関するアンケート結果から、男女ともに、ほぼすべての年代で、食べる速さが速いと肥満者の割合が多い傾向がみられました。特に若い男性で、その傾向が顕著でした。
※肥満とは、身長と体重から算出される身長あたりのBMI(体格指数)を用いて判断されます。BMIが25以上の人は肥満に分類されます
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

◇ワンポイントアドバイス
速く食べることで、肥満を引き起こす可能性があります。他の人より食べる速さが速い人は、意識的によく噛んで食事をしたり、人と一緒に会話をしながら食事をすることで、食べる時間も適度な速さになります。

◇早食いと肥満に関するQ and A
Q 食べる速さが速いとなぜ肥満になりやすいの?
A 脳の満腹中枢が「満腹感」を得るのに、食べ始めてから15〜20分ほどかかると言われています。食べる速さが速いと、満腹感が得られる前に多くの食事をとってしまいがちになり、結果的に摂取エネルギー量が多くなるため肥満につながると考えられています。

Q よく噛んで食べるとどんな効果があるの?
A よく噛むことによりホルモン分泌が高まり、食欲が抑えられ、血糖値の上昇を抑えます。また、ゆっくり味わうことで、うす味・適量で満足感を得られると言われています。

・食べる速さと肥満者(BMI≧25)の割合(男性)

・食べる速さと肥満者(BMI≧25)の割合(女性)

◇アンケート結果第2弾(2)
「食べる速さが遅い人・速い人は、ふつうの人よりフレイルの割合が高かった」
フレイルとは、年を取るにつれて体の機能が衰えはじめる状態のことです。この状態は高齢期の問題だけでなく、働く世代にも一定割合いることがわかってきています。「運動」「栄養」「口腔」「社会・心理」の4つの機能が低下して起こると言われています。
※フレイルについては、本紙17ページもご覧ください
今回のアンケート結果では、食べる速さが遅い人や速い人は、ふつうの人よりフレイルの割合が高い結果でした。
「食べる速さが遅い人」にフレイルの割合が高いのは、噛む、飲み込むなどの口腔機能が低下し、食べる速さが遅くなっているためである可能性があります。
一方、「食べる速さが速い人」もフレイルの割合が高い結果でしたが、現時点では十分な理由は分かっていません。フレイルは「社会・心理」の低下により引き起こされます。
誰とも話さず黙々と食べることで、食べる速さが速くなり、フレイルになっているのかもしれません。
前述のアンケート結果第2弾(1)において「早食いほど肥満者の割合が多い」ことが分かりましたが、さまざまな研究では、BMIが低い群と高い群の両方でフレイルの有症率が高いことも分かっています。

・食べる速さとフレイルの割合(男性)

・食べる速さとフレイルの割合(女性)

◇ワンポイントアドバイス
食べる速さとフレイルの関係性については、速く食べること自体が体に悪影響を与えるだけでなく、口腔の状態や生活様式を反映している可能性があります。口のお手入れをしっかりするとともに、誰かと一緒に食べることで、楽しく時間をかけることを心がけてみましょう。

◇今後も調査にご協力を
今回アンケートに回答した人には、今後2~3年かけて健康・運動・栄養などに関する追加調査を案内予定です。時期や内容は個別に案内または同研究所ホームページに掲載します。引き続きご協力をよろしくお願いします。

最新情報はこちらから
同研究所「縦断調査」ホームページ
※QRコードは本紙をご覧ください。

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