■みんなで守る、地域の安全
私たちが住む東大阪市では、約500人の消防職員と約500人の消防団員が市民生活の安全確保にあたっています。安全・安心な東大阪を守る消防職員と消防団員にお話を伺いました。
◆災害現場の最前線~人命救助活動でまちを守る
◇中消防署高度救助隊 岡本裕貴さん
災害対応や火災現場での消火・救助活動に加え、交通事故や自然災害で発生した要救助者の人命救助活動を行っています。
救助隊員をめざしたきっかけはなんですか?
何か人の役に立つ仕事に携わりたいと思ったからです。私自身、東大阪市で育ちましたので、東大阪市消防局で働き、生まれ育ったこのまちを守っていきたいと思いました。
救助隊員のやりがいはなんですか?
救助隊は災害現場の最前線で人命救助活動に携わります。今までさまざまな災害現場に出動しました。結果として望むような形にはならないこともありましたが、被災者や、周囲の方から「助けてくれてありがとう」と言われたときは、この仕事をしていてよかったと心から思い、やりがいを感じています。
市民の皆さんにメッセージをお願いします。
火災は一瞬にして皆さんの大切なものを奪ってしまいます。まずは火災を起こさない、起こさせないことが大切です。そのうえでもし起きてしまった場合を想定し、どうやって逃げようなど、日頃から防火意識を少しでももっていただけると、いざというときに自分や大切な人を守ることに繋がります。また、危ないと思ったら迷わず119番してください。
◆火災原因を知り、火災をなくす
◇消防局警防部予防広報課火災調査隊 中西勇人さん
火災現場に出動し、火災原因を調べ、火災調査で得られた知識経験を生かして、市民の皆さんに類似火災防止の広報を行っています。
火災調査の大変さはなんですか?
火災の原因は多岐にわたり、火災原因調査は非常に困難な事案も多いため、対応に苦慮することがあります。一方で、それらの事案を外部機関と協力して原因を究明し、出火原因を突き止めることができた時や市民の皆さんへの啓発を通じて、発火原因となった電気装置をリコール(自主回収)へつなげられた際にやりがいを感じます。
最近増えている火災原因はなんですか?
近年、リチウムイオンバッテリーから出火する火災が増えています。リチウムイオンバッテリーは、市の回収拠点かリサイクル協力店に排出してください。不燃ごみとして捨てると、ごみ収集車内で出火するケースがあり、大変危険です。そうした事案をYouTubeなどのSNSを通じて広報活動をしています。また、例年放火も火災原因の上位になっているので、放火されない環境作りも併せて広報しています。
市民の皆さんにメッセージをお願いします。
火災調査隊では、火災によって被害を受ける方を一人でも減らせるように、日々火災の原因調査に努めています。それらの調査で得られた知識をさまざまな形で発信しているので、ぜひ私たちのSNSを見てください。協力して未来の火災を減らしましょう。
◆「救命の連鎖」を繋げることが重要
◇消防局警防部警備課 松本健さん
統計作業や物品の購入など、救急隊のサポート業務や救急車の適正利用など広報に関する業務を行っています。また、平日の日勤帯に運用している救急車にも乗車しています。
救急隊員としてのやりがいはなんですか?
私は主に救急隊員として勤務してきましたが、傷病者が社会復帰された時にやりがいを感じます。しかし、社会復帰というものは救急隊だけの力では実現することは難しいです。現場に居合わせた人、救急隊、病院関係者の「救命の連鎖」が繋がることで傷病者を社会復帰へ導くことができます。このことから、市民の皆さんに対して応急手当の重要性をより広報して行かなければならないと考えています。
事故やけがをしないためにできることはありますか。
市消防局では、“予防救急”という言葉をキーワードに講習を行っています。「ほんの少しの注意」や「事前の対策」などの心がけや環境づくりで事故を予防できることがあり、この心がけや行動を“予防救急”といいます。“予防救急”で重要なことは、危険を予測して、危険なものを事前に排除すること、事故やけがに対する意識を高めることが重要です。
市民の皆さんにメッセージをお願いします。
救急車の台数には限りがあるので、適正利用をお願いします。救急車を呼ぶか迷った時は救急安心センターおおさかへお問合せください。日頃から思いがけない事故には充分注意して、急な体調変化によって意識がもうろうとしている、胸が痛い、怪我をして出血が止まらないなど緊急を要する場合には、迷わず119番で救急車を要請してください。
◇救急車を呼ぶべきか迷ったときは「救急安心センターおおさか」へ
24時間体制で救急医療などに関する相談や救急病院の案内をしています。相談中に緊急性が高いと判断したときは、すぐに救急車を出動させます。
◎【電話】#7119または【電話】06-6582-7119
◆東大阪に少しでも恩返しがしたい
◇消防団団本部広報啓発隊 衛藤美咲さん
救命講習の開催や地域の防災訓練などに参加するなど、防災や救命活動の啓発を行っています。
消防団員になったきっかけはなんですか?
私は小さい頃から消防職員に憧れがありました。消防職員にはなれませんでしたが消防団員になる道があったので、少しでも東大阪市の力になればと思ったのがきっかけです。
消防団員としてのやりがいはなんですか?
小学校や地域の公民館で救命講習を行っていますが、笑顔で分かりやすくするように努めています。参加された方から「いつもありがとう」などの声をかけてもらえるのが嬉しいです。
市民の皆さんにメッセージをお願いします。
これからの季節は寒くなり乾燥してくるので、暖房器具などの火元の確認やコンセントのほこりなどの出火の原因となるものに気をつけてください。また、人を助けたい、人のために何かがしたい、そういう方はぜひ消防団にご参加ください。
◇消防団とは
消防局や消防署と同じように、消防組織法に基づいてそれぞれの市町村に設置される消防機関。団員は、自分の仕事をしながら、平常時・非常時を問わず、地域における消防防災のリーダーとして地域に密着し、住民の安全と安心を守るという重要な役割を担っています。
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