市立東大阪医療センターのスタッフがリレー形式で医療に関する情報などをお届けします。
■第89回 アルツハイマー病 レケンビでの治療を開始
▽市立東大阪医療センター 脳神経内科科 隅 寿恵部長
令和7年には65歳以上の高齢者の5.4人に1人が認知症になると言われています。年齢を重ねることは避けられないので、認知症予防、あるいは軽症のまま自分らしく過ごせるよう対策が大切です。対策には生活習慣病の治療や運動習慣、社会参加が重要ですが、認知症専門医として皆さんに、より良い医療を提供していきます。
認知症の原因は5割~6割がアルツハイマー病ですが、従来の治療は脳内の神経伝達物質を調整する対症療法でした。レケンビ(R)はアルツハイマー病の原因となるアミロイドβの脳内蓄積を抑制する新しい抗体医薬で、進行抑制の効果が期待できます。治療対象は、前段階あるいは軽症のアルツハイマー病患者です。2週間に1回の点滴、定期的なMRI撮影が必要であり、内服薬での治療ほど手軽ではありませんが、病気の原因に対処する新しい治療です。
もの忘れが気になる方は、かかりつけの先生へ相談のうえ、当センターの「もの忘れ外来」を受診してください。
問合せ先:地方独立行政法人市立東大阪医療センター事務局地域医療連携室
【電話】06-6781-5101【FAX】06-6781-2194
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