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市民登場 No.757

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■絵本作家
タツトミ カオさん

◇養護学校や小学校教諭として勤務後、京都インターナショナル・アカデミー絵本研究科在籍中に「とこやのザリガニ―タ」でデビュー(ひかりのくにから来春再販)。月間保育絵本、総合誌などで活躍中。高田在住。56歳。

昆虫や海の生き物などをパステルの優しい色合いでいきいきと描いていく。絵本の原画に絵具ではなくパステルを使用する作家は少ないが「手のひらや指で心を込めて描くのが性に合っているんです」と微笑む。こだわりは生き物の生態を図鑑や動画で調べたり、実際に飼育したりして研究し絵本に盛り込むことだ。「ザリガニのハサミがとれて再生する。イカが擬態して透明になる。主人公となる生き物の特徴を話の盛り上がりで生かしているんです」
幼少期、実母に愛情を注いでもらえず笑顔になれることはなかった。「幼稚園でもらった絵本冊子を一人で読み、絵を描いている時間だけが救いでした」。美術の道を志すも娘の将来を案じたデザイナーの父の意向で断念し教師となった。赴任先の養護学校では重度の肢体不自由の子どもを担当。子どもを抱える業務で腰を手術し、子を授かったのを機に「ものを創る人でありたい」と封印してきた思いに気付き退職。絵本作りを学ぶため学校に通った。
在学中に発表した作品がプロの編集部の目に留まりデビューする幸運に恵まれた。しかし2作目の「どすこい!むしずもう」は大相撲中継や昆虫図鑑を見てもアイデアが浮かばず最後のシーンを描くだけで半年を費やした。同作は、個性豊かな虫たちの描写が評価され、全国学校図書館協議会選定図書に選ばれた。「苦労したぶん思い入れがありますね」
幼少期の経験から保育園で配布される月間絵本の執筆には思い入れがある。「親に読み聞かせしてもらえる子どもだけではないから一人で絵を見ても楽しんでもらえる作品を心がけています」。さらに養護学校教諭時代に出会った子どもたちにも思いを馳せる。「ハンディキャップのある子どもたちにも届くバリアフリーな絵本作りに挑戦したいですね」

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