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市民登場 No.755

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■非営利団体・昆虫科学教育館館長
久留飛克明さん

◇くるび かつあき
府保健所で環境衛生を担当後、府営箕面公園昆虫館館長を16年間務める。テレビ番組やNHKラジオ科学電話相談にも長年出演。著書に「家の中のすごい生きもの図鑑」。中宮北町在住。72歳。

朝日放送の長寿番組・探偵ナイトスクープに箕面公園昆虫館の館長時代、何度も出演してきた。「明日、九州での取材だと言われても断らなかったからね。昆虫館を知ってもらえる機会だから」と苦笑する。館長になって半年後には小学校への出前授業を企画。山にいるオオゴキブリの幼虫と成虫を持参し観察するなど年間40校で授業をした。「来館してもらうためにはまず自分から出向いていこうと思って」。館内での昆虫のぬり絵や工作も積極的に開催し、年間の来館者数は4万人から6万人に増えた。
幼少期を過ごした広島では野山で石や昆虫を集め海では釣りをし自然の中で遊んだ。「勉強は苦手だったね」。近畿大学在学中に府の公衆衛生研究所のアルバイトで取り組んだ害虫研究で卒論を書き上げた。「虫が好きってわけでもないけど興味はあったかな」。府保健所に入職すると害虫相談など環境衛生を担当。住まいの環境が起因となるシックハウス症候群が広く知られていない約20年前、府民からの相談に応じた。「担当外でもできないと言わず自分にできることを考え、医師や保健師と力を合わせ現場に出向いて解決することを大切にしてきたね」
昆虫館を退職後、「昆虫を通じて親子で楽しむ時間を作ってほしい」と元同僚と昆虫科学教育館を立ち上げ、今も各地で昆虫教室を開催している。「なぜセミは夏にしか鳴かないのか考えてみると面白いよ」と子どもたちに投げかける。教科書で学んだ知識以上の想像力や興味を持ってもらいたいからだ。
「子どもの興味の世界への入口を用意してあげるのが大人の役目。勉強しなさいと言うだけでは可能性を狭めてしまう。まずは大人が楽しむ姿を見せなきゃね」。自宅に設けた秘密基地のような場所で昆虫教室での工作グッズを手に穏やかにほほ笑む。

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