厚生労働省は今年、約15年後には65歳以上の3人に1人が認知症または軽度認知障害(MCI)になるとの推計データを公表しました。誰もがなり得る認知症ですが、早期に発見し対応すれば認知機能が戻ったという報告も。市では早期に適切な支援ができるよう医療機関や民間企業と連携し、新たに脳の健康度測定を始めます。まずは自分の脳の状態を知ってみませんか。
■認知症の前段階、MCIとは
日常生活は自立しているものの、以前に比べ認知機能が低下し始めている状態を軽度認知障害(MCI※)といいます。この状態では「何となくいつもと違う」と感じるようになります。これまでの研究で、16%~41%の人が1年で健康な状態に戻るというデータがあります(右グラフ)。
※MCI=Mild Cognitive Impairmentの略
▽加齢による認知機能の変化
※日本神経学会監修「認知症疾患診療ガイドライン2017(医学書院)」より
■いつもと違うこと、ありませんか?
▽MCIの症状
・新しい家電の使い方を覚えるのに時間がかかる
・前日の昼食、夕食の内容が思い出せない
・もの忘れの自覚はあるが他人事のように感じる
・仕事上のミスが増えた
・メモを取ることが増えた
気になったら、脳の健康度を測ってみませんか?
※このリストは医学的診断に代わるものではありません
出典:エーザイ(株)、バイオジェン・ジャパン(株)「知っておきたい脳の健康これからのために“今”できること」(令和5年9月作成)
■1月から 脳の健康度測定、始めます。
市医師会・エーザイ(株)と連携(関連8ページ)し、測定は同社が提供するデジタルツール「のうKNOW(R)」(非医療機器・下写真)を活用。テストは画面に表示されるトランプの色や数字・絵柄などを回答するものなどで脳の反応速度・注意力・視覚学習・記憶力の4項目を測定。結果に応じて医療機関へつなぐなどフォローアップします。
※写真は本紙をご覧ください
▽個別測定
対象は令和6年度中に65歳・68歳・71歳に到達する人。1月下旬ごろから脳の健康度をスマホなどで自己測定できる二次元コードを郵送。
▽集団測定
対象は40歳以上。健康度測定のほか、医師などの結果説明や助言も。3月4日(火)~8日(土)、ラポールひらかた。事前申込制。抽選で500人。詳細は後日広報ひらかたでお知らせ。
■市などと連携し、つながりのある支援を
市内の地域医療を支える立場として、市などと連携・協力しながら、認知症に関する医療体制の整備をより一層進めていきます。認知症は生活習慣病と深い関係にあると言われています。普段から自分や身近な人の健康を意識し、「おかしいな」と思ったらまずはかかりつけ医にご相談ください。
市医師会 会長
渡邉 一男さん
■脳の健康度を知ることから始めよう
体重や血圧、血糖値など体の健康と比べ、脳の健康度は「知るのが怖い」「不安だ」と自身の状態を知らない、調べたことがないという人が多くいます。脳の健康度を正しく定期的に知ることで、より早期の段階での変化に気づき、いろいろなことに備えることができるためとても大切です。脳の健康度測定の機会を活用してみませんか。
エーザイ株式会社 認知症領域室
渡辺 健一郎さん
問合せ:健康福祉政策課
【電話】841・1461【FAX】841・2470
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