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新春対談企画 宇宙飛行士 毛利 衛 さん×枚方市長 伏見 隆 in 日本科学未来館(3)

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■ワクワクすることは人間の生命の本能
市長:ここまで、一人一人の幸せについて考えてきましたが、自分が理想とする枚方の未来を実現するために何が必要なのか、根源的に問う機会になりました。

毛利:すべての人が幸せな状態は理想かもしれませんが、全員が100%、幸せになることは難しいというのが現実です。でも、市長はまさに枚方市民にとっての最適解とは何かを考え実行する存在じゃないでしょうか。

市長:はい。市役所の仕事は、市民一人一人が幸せになるための基盤を作ることだと思っています。やっぱり市民の笑顔を見る時が一番うれしいですね。大人も子どもも一人一人が違う夢を追いかけることができるための支援も、市の役割の一つではないかと考えています。

毛利:枚方にいたからこそこんな体験ができた、飛び立てたと感じることができれば、枚方をルーツに思える何かが生まれる。そうなればまちとしてすごく素敵ですね。

市長:自分が住むまちに愛着を持ってもらうためには外の世界を見てもらいたいと思っています。外からと中からでは良い面も悪い面も見え方が全く違うはずです。例えば、東京に行けばより広い世界が見えるだろうし、海外に行けばさらに広がって、宇宙に行けばもっともっと広がる。毛利さんはほとんどの人が経験していない「地球の外」に行かれた方なので、宇宙に出たから地球の良い面も悪い面も見えたのでしょうね。

毛利:宇宙から地球全体、さらに個々の生命まで考えるようになりましたね。私は北海道出身で、地元の北海道大学で働いていたのですが、子どもの頃からの宇宙に行きたいという夢を追いかけるために、大学を辞めてNASDA(現JAXA)に入りました。なので、外に出て行った側です。当時、安定した職を変える人は非常にまれでした。

市長:慣れた環境から飛び出すというのは、いろいろなことを手放さなければならないし、不安もつきものですよね。それでも挑戦しようという原動力は、どこから生まれたのですか。

毛利:ワクワクすることじゃないかな。言葉では説明できないけれど、人間の生命としての本能が「やったことのないことをしてみたい」と自分自身を駆り立てるのです。

市長:毛利さんのように子どもの頃に夢ができて、たくさん知りたいという気持ちが生まれるのは大事ですね。枚方市では、大阪・関西万博に市内の小学生を招待します。感受性が強い子どもたちに、最先端が集まる万博でいろいろな体験をしてもらって、夢を見つけるきっかけの一つになればと思っています。さらに、枚方ならではの自然や歴史・文化、大学、企業の技術力など市が持つ魅力を、多くの人に見て、触れて、味わってといった、さまざまな体験をしてもらう「ひらかた万博」という取り組みを2年前から続けています。これからもいろいろなことに出会う機会を提供して、子どもだけでなく大人もワクワクを感じて、やりたいことにたくさん挑戦してもらいたいですね。

■多様性を認め合うまちづくりを
市長:では最後に、市民一人一人が幸せになるために行政ができることとは何か、改めて毛利さんの考えをお聞かせください。

毛利:多様性を認めることですね。多様な一人一人が幸せを追求していくことが、まちの未来、社会全体の幸せにつながっていくと思います。

市長:なるほど。市民の多様性や主体性を尊重することをスタートにして、大阪・関西万博をきっかけに自分の幸せに向かって挑戦する人が枚方からたくさん生まれてほしいです。そして、今後いろいろな場所で活躍して、未来の枚方だけでなく日本や世界を幸せにしてくれたらうれしいですね。

毛利:期待していますよ。私は枚方に行ったことがないので、今回インターネットでいろいろ調べてみたんです。「百済寺跡」という場所を取り上げている動画を見ました。百済王氏が建てた1000年以上も前の寺の跡が特別史跡として残っているんですね。これは日本にとってすごく大切なことなので、もっともっと伝えていってほしいですね。
なぜかというと、万博は未来しか見せないからです。でも、未来はおのずとやってくるし、今の知識で空想するしかないもの。人工知能でも未来予測ができる現代に、枚方には百済寺跡という日本の歴史の本物があるんですよ。過去とつながって初めて現在があるように、私達の未来もまた現在の延長であると示すことも、我々日本人の心にはすごく大切なんです。

市長:「百済寺跡」のような文化財をはじめ、実は枚方にも素晴らしい資源や財産がたくさんあるということをこれからも伝えていきたいと思っています。

毛利:工夫すれば興味を持ってもらえると思います。歴史はただ史実を伝えるだけでなく、伝える人自らが史実を紡いで、物語として伝えていくことで人の心をつかむんです。動画に出演されていた職員は、枚方の遺跡が好きでたまらないのでしょうね。自らがワクワクしながら話す様子も含めて、とても面白かったですよ。いつか枚方市に行きたくなりました。

市長:ぜひお越しください。その時はブラリとご案内します!

■2025年大阪・関西万博
4月13日~10月13日
「いのち輝く未来社会のデザイン(Designing FutureSociety for Our Lives)」をテーマに、20年ぶりに日本で開催される国際博覧会。会場となる大阪・夢洲には国内外のパビリオンが出展する。本市も、府内の自治体が連携して大阪の魅力を国内外に発信する催事「大阪ウィーク」や、万博首長連合の会員自治体が共創する催事「LOCAL JAPAN展」への出展を予定している。

■2度の宇宙飛行
史上初の宇宙から生中継で授業も

◇1992年9月(1回目)
スペースシャトル「エンデバー号」内で多くの宇宙実験を行いながら、出身地・北海道余市町の子どもたちに向けリンゴなどを使って無重力の不思議などを伝える「宇宙授業」を初めて生中継で実施。

◇2000年2月(2回目)
人が住む地球陸地の95%の3D立体地形図データを観測したほか、日本の高精細TVカメラで地球観測を行った。

■毛利さんも見た!枚方に古代都市!?
市長が文化財課職員と百済寺跡の謎に迫る動画を市公式YouTubeで公開中

問合せ:広報プロモーション課
【電話】841-1258【FAX】846-5341

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