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枚方市が平成26年4月に中核市に移行し、昨年4月で10年が経ちました。約1800項目の事務の権限が市に移り、それを生かして市独自の取り組みを進めてきました。「中核市だからできたこと」をご紹介します。
■そもそも中核市とは?
Q1:どんな条件?
A:政令指定都市以外で人口20万人以上の都市が対象で、国から指定を受けた市のこと。
Q2:何が変わったの?
A:市の決定で行える事務が増え、地域の実情に合わせた行政サービスの提供や市ならではのまちづくりができるように。
Q3:中核市になって良かったことは?
A:都市のイメージが向上し、市全体の活性化や経済振興などにつながっています。また、一部の事務ではスピーディーな手続きが可能に。
□中核市の決定で実施できる事務は、手続きに要する時間が短縮!
大阪府から移ってきた約1800項目の事務で市民と市の間で完結できるようになり、申請から決定、通知までの時間が短縮。
令和7年1月現在で府内では7市が指定されているよ
枚方市キャラクター ひこぼしくん
■教育分野
◆市独自の研修カリキュラムで子どもも先生もICTをフル活用
府で採用され、市に配属された教職員の初任者研修と10年経験者研修の内容を市で決められるようになりました。子どもたちに1人1台配備しているタブレット端末の活用や、枚方市の地理や歴史を学ぶ研修、枚方市で採択している教科書教材を使った授業づくり研修など、枚方市で学ぶ子どもたちの授業にすぐに生かせる研修が実施できています。
◇実践的な研修がモチベーションに
1年目から3年目までの3年間実施される初任者研修では毎回新しい見方や学びがあり、授業づくりのモチベーションになっています。実際の教材を使うのですぐ授業に取り入れられるのもうれしい点。先日も研修で学んだ意見交換アプリを応用してディベートの授業をしました。子どもたちがインターネット社会を生きる上での文章の書き方や、顔の見えない相手を思いやることなどを考える授業ができたと感じています。
タブレットを使いこなす子どもたちを見ていると、私も研修でいろいろな知識を得て、もっと授業に生かしたいなと思いますね。次回の研修が楽しみです!
枚方第二小学校
松浦七海教諭(3年目)
松浦先生は宮崎県出身で、社会の授業で使う「わたしたちのまち枚方」を使った研修で枚方のことをたくさん知れたんだって~
■保健衛生分野
◆市の防災部門や健康・福祉部門などとの連携がスムーズに
保健所が市の機関になったことで、災害・食中毒・感染症対策などについて防災部門や健康・福祉部門などと日頃からの情報共有ができるようになり、いつ起こるか分からない災害や感染症パンデミックなどの健康危機に備えた体制整備や人材育成に市役所全体で取り組めるようになりました。
《“中核市だから”はこんな場面にも》
◇緊急時に迅速な判断が可能に
災害時には「枚方市保健医療調整本部」を保健所に設置し、市内病院や三師会(医師会・歯科医師会・薬剤師会)、消防などと協力して被災者救護などが円滑に実施されるよう調整します。保健所が市の機関であることで、緊急時に迅速な判断が可能に。
また、市の全部署が合同で行う災害対策訓練にも参加し、保健所は危機管理部門、母子保健部門、福祉部門などとも一体となってスムーズに対応できるよう備えています。
◇感染症の拡大防止も臨機応変に対応
新型コロナウイルス感染症の発生時には、日頃からの連携を生かして三師会や病院協会、訪問看護事業所などの市内関係機関と協力し、市民を検査・医療とつなぎ、療養支援などきめ細やかな対応を行いました。
市は、この時の教訓を生かし、感染症発生の予防や拡大防止の対策強化に向けた「枚方市感染症予防計画」を令和6年3月に策定。市民が安全・安心な暮らしを続けられるよう、地域保健体制や医療連携の強化に日頃から取り組んでいます。
◇食中毒の拡大を防ぐ
食品衛生管理について保健所が独自に作成した啓発動画やリーフレットなどを活用して市民や事業者へ注意喚起をしたり、指導・助言を行ったりすることで、食中毒などの未然防止に努めています。万が一市内で食中毒が発生した場合も、検査体制が整っているので原因の究明調査などを迅速に行って、拡大を防ぎます。
いざという時のために日頃から備えているんだね!
■環境・まちづくり分野
・一般廃棄物処理施設・産業廃棄物処理施設の設置許可、産業廃棄物処理業の許可
・屋外広告物の条例による設置制限
地域の特徴に合わせたルールを決めて、快適な生活環境を守ったり枚方の景観がより良くなるように取り組んだりしているよ。
■福祉分野
・身体障害者手帳の交付
・母子父子寡婦福祉資金の貸付
市で判断できるようになったことで申請を受け付けてから決定するまでの時間短縮につながっているんだ!
■枚方のこれから
市は行政手続きの電子申請などを導入し、市民の利便性向上に努めています。今後、こうした取り組みを一層推進するとともに、多様化する市民ニーズに対応していきます。さらに、交通アクセスの良さなど、便利な都市機能と豊かな自然環境を併せ持つ魅力ある地域特性を生かしたまちづくりを通して、中核市としての権限を最大限に生かし、まちへの誇りと愛着につなげていきます。
問合せ:企画課
【電話】841・1254【FAX】841・3039
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