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人権ほっと(207)

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大阪府柏原市

■「合理的配慮って何ですか?」
大阪教育大学講師
今枝 史雄

障害者差別解消法が改正され、令和6年4月より、合理的配慮の提供が義務化されます。これまでは公立学校や市役所などの行政機関だけが義務とされていたものが、私立学校や民間企業なども、「提供について努力しましょう」という「努力義務」から、「必ず提供しなければならない」という「法的義務」となります。では、この合理的配慮とは何でしょうか?
合理的配慮とは障がいのある人もない人もともに生活するという、共生社会の実現に向けて、障がいのある人々が社会参加しやすいように、障がいのある人に合った必要な環境を整えることを言います。内閣府の発行するリーフレットの中では、合理的配慮の具体例として、肢体不自由のある方が飲食店を利用する際は車椅子のスペースを確保すること、書き写すのが困難な方が、研修などを受ける際に、タブレット型端末で研修資料を撮影すること、などが紹介されています。
ここまでの説明だと、「つまり、障がいのある方への配慮のことを合理的配慮って言うのね」とお思いかもしれませんが、そうではありません。この文章をお読みの方の一番身近な合理的配慮は「メガネ」だと思います。メガネは利用する人それぞれで度数が違いますので、一人一人に応じて使用することができます。また、試験といった公正・公平が求められる場でも持ち込むことができます。メガネをしている方を見て、「あの人は特別だ」とはなかなかなりませんね。メガネはそれほど社会に浸透した合理的配慮なのだと思います。
現状、障がいのある人々への合理的配慮に対して「特別扱いしている」と言われる場合があります。今後、メガネの使用のように、障がいのある人々への合理的配慮が「特別」ではなく、「当たり前」になるような社会が、共生社会の実現につながると思います。

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