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ときの輝き

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大阪府池田市

歴史民俗資料館特別展

■池田のたからもの 第1回
歴史民俗資料館では、10月14日(土)から12月3日(日)まで、「池田のたからもの」をテーマにさまざまな市指定文化財(一部は府指定)を展示する特別展を開催します。今号から4回にわたり、展示の内容をご紹介します。

▽文化財ってなんだ?
そもそも「文化財」とは何なのでしょうか?メディアなどでよく目にする言葉で言えば、「文化遺産」がこれに近いでしょう。もっと身近というか、俗っぽい言葉で言うなら、「お宝」ということになるのかもしれません。
実際には、何をもって文化財とするのかは「文化財保護法」第2条に明確に定められています。条文を書き連ねても面白くないので割愛しますが、要するに文化財とは、この世に残されているモノやコトのうち、たくさんの人たちによって価値が高いと認められているもの、いわゆる「普遍的価値」のあるものということになります。

▽文化財の種類
一口に文化財といっても、その種類はさまざまです。一番多いのは「有形文化財」で、美術工芸品や歴史資料、考古資料、建造物など、手に触れられるものがこれに当たります。一般的に「お宝」と認識されるのは、ほぼ有形文化財でしょう。博物館に収蔵されるものも、ほぼこれです。
音楽や芸能など、手に触れられないものは「無形文化財」とされています。少し分かりにくいですが、これらを生み出すわざが文化財だということです。中でも、トップレベルのわざを持つ人は重要無形文化財保持者と呼ばれます。これがいわゆる人間国宝です。
人びとのくらしに関わるものも文化財として定義されるものがあります。衣食住、生業(なりわい)、信仰、年中行事などに関する「民俗文化財」がこれに当たります。民俗文化財はさらに二つに分かれ、祭りなどは無形民俗文化財、生活道具や農具、衣服などは有形民俗文化財に分類されます。「がんがら火」と呼ばれる「愛宕火」や「神田祭」の額灯と幟(のぼり)の宮入といった祭りは特別感もあり、文化財として認識されやすいのですが、衣食住や生業に関わるものは普段から身の回りにあるので、文化財として意識されにくいという特徴があります。
遺跡や名勝地、動植物などが文化財になるときは「記念物」になります。民俗文化財と同じように、記念物も史跡、名勝地、天然記念物に分かれます。池田茶臼山古墳、鉢塚古墳などの古墳や、弁慶の泉などが史跡、八坂神社のイスノキや自性院のカイヅカイブキが天然記念物に当たります。天然記念物の中でも特に重要なものが特別天然記念物です。猪名川や余野川などにいるオオサンショウウオは国指定の特別天然記念物ですので、彼らは法律上は生きた「文化財」なのです。

▽文化財の保存と活用
これらの文化財は、自治体の文化財や市史編纂(さん)を担当する部署、博物館などによってその歴史や背景が調査され、適切な方法で保存されます。しかしながら近年では、保存だけでなくその活用も重要だといわれています。保存された文化財を通じて、歴史や文化的な知識を広め、人びとに文化財の価値を伝えることができるからです。そして、地域の人びとを含む、なるべくたくさんの人に文化財の価値を知ってもらい、文化財保護への理解を得ることで、長期的な保存と持続可能な活用をめざす、というのが理想形です。
忘れてはいけないのは、文化財の活用は保存とセットでなくてはいけないということです。多くの文化財が時代を超えて遺されているのは、先人たちの努力のたまものといえます。文化財を持続的に活用するためには、保存と活用のバランスを見極める目を持った人材の育成が必須といえるでしょう。
初回から小難しい話になってしまい申し訳ありません。次回からは今回の特別展で展示される資料について具体的に見てみようと思います。

問合せ:歴史民俗資料館
【電話】751・3019

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