■眼瞼(がんけん)下垂症の治療について
形成外科医師
宮﨑 裕子
眼瞼下垂症は、見た目上、黒目の見える範囲が狭くなっていることで診断します。患者さまの主な自覚症状は、上方視での視野障害です。眼瞼下垂症に対しては、主に以下の3つの手術方法があります。
◇挙筋短縮(前転)術
まぶたを持ち上げる構成要因である挙筋腱膜が、加齢や長期ハードコンタクトレンズ装着が原因で、弛緩(しかん)します。これを縫い縮めることで上眼瞼挙筋(まぶたを上げ下げするのに重要な筋肉)の収縮力が伝わるようにする方法です。
◇眉毛下皮膚切除術
開瞼(かいけん)自体は問題ないけれど、上方より緩んだ皮膚が覆いかぶさることで視野が妨げられている場合に行う方法です。
◇筋膜吊り上げ術
上記方法では視野の獲得が困難である場合や生まれつき挙筋機能が低下している場合は、大腿(だいたい)筋膜(大腿筋の表面を包む発達した筋膜)や側頭筋膜などを利用して上眼瞼を引き上げます。
受診時は、かかりつけ医にご相談の上、紹介状をご持参ください。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>