Q:暖房病について教えてください。
A:暖房病という正式病名はありませんが、エアコン、ファンヒーター、ストーブなどを使いすぎることによる体調不良の総称です。冬はもともと空気が乾燥していますが、暖房器具を使用することにより過度な乾燥状態となるためにさまざまな症状が起こります。
■暖房による健康への悪影響
・皮膚、目、咽喉の乾燥感が局所的にはよく見られます。
・頭痛、頭重感、めまい、吐き気などの症状が現れることがあり「隠れ脱水」が原因と推定されています。夏場の脱水は口喝というサインがありますが、冬場は脱水になっても口喝を来しにくく気づかぬうちに脱水状態となっていることがあります。口喝を感じなくても定期的に水分摂取をすることが重要です。また暖かい空気は上昇するので、頭熱足寒の状態になりのぼせ感の原因となります。空気を循環させることが重要です。
・特にせきやぜんそくなどの呼吸器症状は暖房器具をシーズンで初めて使用するときに起こりやすく、前年度のほこりやちりなどが十分清掃されていないと使い初めに拡散して種々のアレルギー症状を起こします。シーズン初めと終わりにはフィルターなどを清掃するようにしましょう。
・乾燥によりウイルスの増殖や空気中への飛散が増え、さまざまな感染症まん延の原因となります。加湿が重要です。
■対策
適切な室温は18〜22℃、湿度は40〜60%です。
(1)暖房器具は使い始めとシーズン終わりの保管時にはほこりやちりを清掃してください。
(2)適切な温度・湿度設定をしてください。
(3)可能であれば加湿器の使用が望ましいですが濡れタオルを室内干しするだけでもある程度の加湿効果が得られます。
(4)定期的に窓を開けて空気の循環、換気をしてください。
(5)できればサーキュレーターで空気の循環をさせてください。
(6)火災やカイロ使用などで生じる低温やけどにも注意してください。
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