■手話を広めていきたい
島田さん
※ろう者…聴覚に障がいのある人のうち、手話を意思疎通の手段として用いる人
私は生まれつき耳が聞こえません。幼稚部からろう学校へ、小学部からは同じ聴覚障がいがある兄や同級生と電車で通っていました。電車の中では手話を使って会話をしていましたが、いつも周囲からの視線を感じていました。当時は、近所の子どもたちから聴覚障がいのことを悪く言われ、悲しい思いをしたこともあります。それでも、ろう学校でたくさんの友人ができたことは、人生の財産となっています。
日常生活でコミュニケーションがうまくとれず不便なことがありましたが、挑戦してきたこともたくさんあります。その1つが運転免許の取得です。以前は、聴覚障がい者は自動車の運転が認められていませんでしたが、ある裁判をきっかけに、補聴器の装用を条件に認められるようになりました。私も免許取得を家族に相談したところ、当初は反対されましたが、めげずに挑戦し取得することができました。運転する姿をみて、家族は「良かったね」と喜んでくれました。
もう1つが住宅の購入です。友人の紹介で河内長野市へ来た際、豊かな自然が子育ての環境にピッタリだと思い、家を購入したいと考えました。しかし当時は、障がいを理由に銀行から住宅ローンを借りることができませんでしたので、勤めていた会社に相談し、お金を借りることができました。すぐに手続きをし、河内長野市で家を購入して暮らすこととなりました。その後、法律が改正され、障がい者も住宅ローンが認められるようになりました。
現在は、地域の手話教室や小中学校などで聴覚障がい者や手話についてのお話をしたり、手話を教える活動をしています。みなさん一生懸命に手話を学んでくれるのでとてもうれしいです。より多くの人に手話が広がってほしいと願っています。みなさんもぜひ手話に挑戦してもらえるとうれしいです。
■覚えておきたい簡単な手話
「活動」
胸の前で手を握り、左右交互に前後に動かす
(※詳細は本紙またはPDF版をご覧ください。)
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