■ろう者の社会参加
川見さん
※ろう者…聴覚に障がいのある人のうち、手話を意思疎通の手段として用いる人
令和3年3月、本市に手話言語条例が制定されてからまもなく4年が経過しようとしています。その間に市では様々なイベントや啓発活動を行ってきました。その甲斐あってか、理解が広がり、スーパーなどで私が聞こえないと分かるとマスクを下げて唇を見えるようにしたり、身振りで教えてくれる方が増えたと思います。大変ありがたいことです。
私はろう者ですが、幼少時代に発声の練習を必死にしたおかげで発声もできますし、口話(口の動きで内容を読み取る方法)である程度会話もできます。その一方で、発声もうまくできず、手話のみでしか会話できず社会と関わることが難しい方もおられます。私自身も聞こえないことで差を感じており、発声や口話ができても社会参加は難しい面があると常々思っています。
それは、この社会は音声を中心とした世界であり、ろう者は圧倒的に入ってくる情報量が少ないことにあります。耳から入ってくる音で各々の声を認識する、会話の流れや状況を理解する、異音で危険を察知する、音声で単語の読み方を知り、言葉のバリエーションが広がるなど、これらすべて耳の聞こえが関わっています。この聞こえが無いと様々な弊害が起き、その結果誤解されるなどして社会参加が難しくなってしまうのです。
こういったことに対して理解を広めたり、手話やろう者のことを知ってもらうため、私自身様々な活動をしています。市内のラグビースポーツ少年団のコーチや地区の獅子舞保存会の役員を務めるほか、会長を務めている市身体障害者福祉会聴言部会では、市内の手話サークルと共に手話を広げる活動をしています。また、講師として講演会にも参加しています。このような活動を通して、手話を言語として話せる方が増えていけば、ろう者が社会参加しやすくなると思っています。手話に興味のある方は、ぜひ手話サークルに足を運んでいただければとてもうれしいです。
■覚えておきたい簡単な手話
「参加」
人指し指を立てた手の甲を、開いた手のひらに当てる
(※詳細は本紙またはPDF版をご覧ください。)
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