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考えよう・人権

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大阪府泉大津市

人間が人間らしく生きるために、すべての人が等しく持っている権利、「人権」について考えるコラムです。

■飢餓と食品ロス
国連食糧農業機関が、特に重視している権利のひとつに「食糧の権利」があります。食糧の権利は、心も身体も健康に生きていくために必要な食糧を自らの手で得られる権利のことで、すべての人が生まれながらに持っています。
2015年9月に国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)に「飢餓をゼロに」があります。飢餓と聞くと「食べられない。食料が手に入らない。」と想像する人もいますが、食べることができていても栄養の偏りが著しく、栄養不良の状態になることも飢餓の一部です。栄養が偏ってしまうと体調不良など健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
明治22年に始まったとされる日本の学校給食は、太平洋戦争の影響により中断した時期がありました。しかし、戦後、食糧難による児童の栄養状態の悪化を背景に再開を求める国民の声が高まり、アメリカのアジア救済公認団体(LARA)から物資の寄贈を受けて昭和22年から再開されました。LARAからの寄贈を受け、学校給食感謝の日が定められ、昭和25年度からは1月24日から1週間を「学校給食週間」としました。現在の学校給食は、学校給食法に基づき、昼食で摂取することが望ましい栄養量の基準が設けられており、発達段階に応じて必要な栄養をバランス良く取ることができるよう献立が作られ、衛生的に管理された給食が提供されています。
日本の食糧自給率を見てみると、令和元年度はカロリーベースで38%となっています。つまり、62%は海外からの輸入に頼っていることになります。一方、日本では、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる食品ロスが令和3年度は523万トン(推計値)もあり、世界中で飢餓に苦しむ人たちに向けた世界の食糧支援量の約440万トンを上回っています。
食品ロスを削減することは、世界の食糧需給バランスを安定させる一助となり、ひいては世界中のすべての人が食糧の権利を享受できる社会の構築に寄与できるのではないでしょうか。

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