■泉大津市の名宝(2)〜四天王立像(してんのうりゅうぞう)(穴師薬師寺)〜
四天王とは、東方を守護し国土を守る持国天(じこくてん)、南方を守護し人びとの成長と繁栄を助ける増長天(ぞうちょうてん)、西方を守護し知識をもたらす広目天(こうもくてん)、北方を守護し財宝と富をもたらす多聞天(たもんてん)からなる仏教の守護神です。悪を打ち破る怒りに満ちた姿で現されることが多く、役割に合った武器や宝珠などを持っています。
穴師薬師寺(我孫子)は、かつて泉穴師神社の神宮寺として大きな勢力を持っていましたが、明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)により廃寺となりました。現在は小さなお堂だけが残り、本尊の薬師如来とともに四天王立像がまつられています。
4躯ともに、ヒノキ材の一木造で、邪鬼(仏法を犯す邪神)を踏みつけた力強い姿を現しています。残念ながら、当初の手先や足先、光背(こうはい)、台座などは失われ、後の時代に作り直されています。また江戸時代に塗り直された彩色で覆われており、本来の表情がややわかりにくくなっていますが、頭部が小さく、全体的な彫りが浅く穏やかであるなどの特徴から、平安時代後期に作られたものとして市指定文化財に指定されています。市内に残る最も古い四天王立像として貴重です。
※11月24日(日)、まちなかアートフェス2024の一環として、普段は非公開の四天王立像を一般公開します。
問合せ:生涯学習課
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