■多文化共生をめざしてアイヌの人権問題について考える
アイヌは、北海道やその周辺地域を中心に長い歴史を持つ民族で、豊かな自然との共生を大切にしながら、独自の文化や言葉、生活を築き上げていました。しかし、次第に彼らの言語や文化は侵害されるようになり、明治時代以降の国による同化政策によって、生活の基盤や独自の文化が失われていくようになりました。そうして、アイヌの人々は、いわれのない差別や偏見の中で貧困に苦しめられていくようになりました。
そのような中、2007年に国連によって先住民族の権利を保護する「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されました。2019年には我が国においても、アイヌの人々が民族として誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図り、全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生社会の実現に資することを目的として「アイヌ施策推進法」が制定されました。
しかしながら、2023年実施の「北海道アイヌ生活実態調査」によると、言語や文化の継承、所得格差、進学率、就労機会の問題など、アイヌの人々の平等な社会参加を実現するには、いまだ多くの課題が存在していることがわかります。
それぞれの課題解決には、私たち一人ひとりがアイヌの歴史や文化、人権問題について正しく理解することが大切です。
皆さんもこれを機会にアイヌのことについて考えてみませんか。
問合先:協働人権課人権推進担当(1階(4)番窓口)
【電話】939・1059
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