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クリニカルイナーシャ

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大阪府貝塚市

クリニカルイナーシャとは直訳すると“臨床的な惰性”となりますが、慢性疾患において治療目標に届いていないにも関わらず、漫然と治療を続けている状態を言います。
例えば75歳未満の高血圧の場合は診察室血圧が最高130ミリメートルHg、最低が80ミリメートルHg未満が降圧目標となっています。この基準を満たしていない場合でも漫然と治療を続けている原因はどの様なことが考えられるでしょうか。
患者さん側の要因として、多剤内服は避けたいという希望、薬が増えると医療費負担が多くなると言う心配、飲み忘れが多く実際の薬の効果が不明な場合などがあげられます。医療者側の要因としては診察室血圧と家庭血圧に大きな解離がある場合が考えられます。降圧目標に達すれば脳卒中や心筋梗塞などを、より確実に防ぐことができますので、合剤の使用、ジェネリック剤の使用、分包して飲み忘れを少なくするなど工夫が出来ると思います。
また健診で便潜血が陽性の時、痔があるからと言って患者さんが大腸内視鏡を拒否した場合に、医療者側が何らかの対応をしない場合は、一種のクリニカルイナーシャと思われます。痔と思い込んでいたら、ある日進行直腸癌が見つかる可能性もあります。

問合せ先:貝塚市医師会
【電話】072-423-4130

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