文字サイズ
自治体の皆さまへ

対談 水野謙二市長×宮田裕章さん(阪南市まちづくり戦略アドバイザー)

4/53

大阪府阪南市

11月15日、慶應義塾大学医学部教授の宮田裕章さんを「まちづくり戦略アドバイザー」に委嘱する委嘱式を行いました。
宮田さんは、データサイエンスなどの科学を駆使して社会変革に挑戦し、現実をより良くするための貢献を軸に研究活動を行っており、現在、大阪・関西万博のテーマ事業プロデューサーとして活躍されています。

■はじめに
(市長)この度は、ご就任ありがとうございます。本市は、SDGs(エスディージーズ)の達成に向けた地域の社会課題解決に取り組むとともに、総合戦略の重点施策に掲げるスマートシティの推進や、共創によるまちづくりを進めており、今後のまちづくりを積極的に推進していきたいと考えています。宮田さんには、助言や提言をいただき、本市のまちづくりの推進にぜひ協力をお願いしたいと思っています。本日は、本市の魅力をいかに深めていくか、大阪・関西万博などについて、対談を行いたいと思います。宮田さんよろしくお願いします。
(宮田)よろしくお願いします。

■阪南市の魅力について
(市長)宮田さんから見て阪南市の魅力はどんなところだと思いますか。
(宮田)海と山が近接し、自然の魅力がとてもコンパクトに詰まっている素晴らしい場所だなと思いました。この100年間、都市化が全世界のトレンドでしたが、効率化や経済が中心のものでした。合理性とは違う形で、自然とより接している場所だからこそ未来につながっていく可能性があるなと私は思っており、地方都市の強みでもあると思います。ブルーカーボン(※1)の取り組みなど、早い段階から持続可能性に誠実に向き合い、未来に向かう姿勢が感じられます。

■阪南市の魅力を深めていくには
(宮田)魅力をさらに深めるために、一つは、今、世界中の人たちが何を楽しみに日本に来るかというと「食」です。そのため、「大量生産できるおいしい食」だけでなく、阪南市の自然と結びついたユニークに体験できるもの、ここでしか食べられないということが重要です。ここに住んでいる人も楽しみにできるような深みをつくれるかどうかが重要で、それは地域の力にもなり、人を呼ぶことにもつながってくるのではないでしょうか。
もう一つは、人と自然が交わるなかでコミュニティが生まれてくるものです。阪南市の海は日の入りと日の出を両方を見ることができ、両方の体験の中で移ろいゆく自然を美しく感じられる場所で、そこに可能性を感じました。阪南市の持っている豊かさや、未来に向かう志に共感してくれた人たちが、一緒に未来をつくれるようなコミュニティになっていくと素晴らしいのではないでしょうか。
(市長)阪南市が何をめざしているのか、そのために何に取り組んでいるのかを見えるようにすることが、阪南市を一度訪れたいという考えにつながると思っています。

■大阪エリアの自然観光というポジション
(宮田)これからの観光は、その地域に訪れることで地域も豊かになって未来につながっていく、訪れたこと自体が双方に良い影響を与えることが求められています。
また、自然を感じる体験はすごくニーズがあり、大阪エリアにおける自然観光というポジションがまだあまり確立されてないということを考えたときに、海と山を体験できる阪南市は、関空とのアクセスも考えると、いろいろと可能性があるのではないでしょうか。

■大阪・関西万博について
(市長)宮田さんが担当されているテーマも含めて、私たちが期待できる万博の魅力を教えてください。
(宮田)今、万博は、単に経済的なプロダクト(※2)を持ってくるだけでは意味がなく、未来とつなぐ場所として、未来への問いというのを掲げています。そのテーマは、地球だったり食だったり、あるいは命です。平和、人権、そして文化も重要です。SDGsは「いのちを消さない」というところがスタートだったため、文化的な目標を持っていません。貧困から脱出するという狭義の目標に絞ったとしても、飢え死にしない支援をするよりは、人生の目的を感じられるような支援をした方が圧倒的に有効です。SDGsで「いのち消さない」から「いのち輝く」というところに全体の目標をシフトアップさせることが、実は命を消さない上でも有効です。文化というものをどう共に創っていくのか、万博で残っていくのは、未来への「問い」だと思っています。

(※1)
ブルーカーボン…地球上で排出された二酸化炭素のうち、海藻などによって吸収され、貯められた炭素。本市ではアマモ場の再生活動などに取り組んでいます。

(※2)
プロダクト…製品、生成物、成果など。

◇阪南市の子どもたちへ
阪南市の皆さんは、SDGsの未来につながる学びやいろいろな取り組みを積み重ねています。これからの時代、皆さんの学びも変わってきます。「問いを立てる」ということが今後ますます重要になってきます。人々がより豊かに生きるために様々なことと向き合いながら学ぶことは、これから先、大事な体験になってくると思います。私も皆さんと一緒に考えられたらと思います。

委嘱式・対談の様子は、阪南TV12月放送分で視聴できます
※二次元コード本紙掲載

問合せ:政策共創室
【電話】072・489・4507

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU