■快適で経済的なアイデア
冬は電気代とガス代が高くなり、家計を圧迫しがちです。快適さを保ったまま、これらを節約するには何をすれば良いでしょうか。電気・ガスの専門家に聞きました。
◆電気
関西電力株式会社 橘侑佑さん
「省エネは日々の習慣づけが大切です。各家庭の状況に合わせて、無理のない範囲で、できることからまずは一歩、始めてみてください。」
冬によく使用する家電と言えば、暖房です。ストーブやファンヒーターなどさまざまな暖房器具がありますが、部屋で過ごす快適さと電気代の節約のバランスを考えると、私のお勧めはエアコンです。エアコンは、ヒートポンプと呼ばれる仕組みを利用し、少ない電力で大きな暖房効果を得ることができる高効率な暖房器具です。使用のポイントは、設定温度ではなく、室温20℃を目安に保つこと。上手に使用してください。
○空気を回す
暖かい空気は部屋の上部にたまります。扇風機やサーキュレーターを上に向け、空気を循環させると、室温のムラがなくなります。
○湿度を保つ
湿度が低いと寒さを感じやすくなります。40~60%が目安で、私は温湿度計で見える化。加湿器などで乾燥を防ぐと、風邪の予防にも効果的ですよ。
○節電モードを使用
節電モードが搭載されている製品があります。使用する電力を自動的に抑え、電気代の節約につながります。一度、ご自身の家電をご確認ください。
◆ガス
大阪ガスネットワーク株式会社 廣瀬賴子さん
「「一人の100歩より100人の一歩」と言われるように、各ご家庭で少しずつ省エネの取り組みを心掛けることが、大きな力になります。」
ガスは使い方一つで、とても節約できます。ポイントはキッチンのガスの火やお風呂の使い方に注目して、効率的に無駄のないライフスタイルを心掛けること。
でもあまり窮屈に考え過ぎる必要はありません。おいしい料理が食べられる工夫や気持ち良くお風呂に入れる工夫を、家族みんなでアイデアを出して、楽しみながら取り組んでもらうことが大切です。
○同時に調理
グリルや一つの鍋で、複数の食材を一緒に加熱します。私はトーストやウインナー、野菜をホイル焼きで朝食づくり。簡単でおいしいですよ。
○余熱で調理
火を消した後の余熱を利用した加熱方法です。ゆで卵も、沸騰後、火を止めて12分置くだけでできます。ぜひ実践してみてください。
○お風呂も上手に
シャワーの出しっ放しは禁物。上手に効率的に使用してください。浴槽のお湯が冷めない内に、家族が続けて入る工夫もお勧めです。
■どの暖房器具が省エネ?
空間を暖める器具はエアコン、使用範囲を暖める器具はこたつが省エネで節約にもなります。
▽暖房器具1時間あたりのCO2排出量・光熱費の比較
出典:家庭エコ診断制度運営事務局調べ
※部屋の大きさ…8畳、外気温…0℃、家の状況…木造住宅の場合。エアコン(2.2kwh)20℃設定。
※電力CO2排出係数…0.5kg-CO2/kWh、都市ガス排出係数…2.23kg-CO2/立方メートル、灯油排出係数…2.49kg-CO2/L
※電力単価…21.7円/kWh
■知る省エネ
毎月の電気やガスの料金や、使用量の多い時期などを確認し「見える化」することも省エネの一歩です。
○検針票
電気やガスのWEB検針サービスや検針票には、その期間の使用量が記載されています。それを記録し、比較することで、使用量の増減が分かります。
○スマートメーター
近年では、電気の使用量が計測でき、通信機能のついた機器(スマートメーター)が家庭に設置されている場合があります。契約している事業者のホームページやWEB検針サービスなどで使用量を確認してみましょう。
■moreポイント
○床暖房
床暖房を使う場合は、カーペットやラグは敷かず、できるだけ物を床に置かないようにしましょう。また、寝る前30分ほどで、電源をオフに。余熱でも十分暖かいですよ。
○ファンヒーター
ファンヒーターやストーブも冬の暖房の主要なアイテムです。部分的に暖める製品が多いので、使いどころや温める場所を考え、上手に活用してください。
○コンロ
火をかけるときは、鍋底の水滴を拭き取ってから。また鍋にふたをする、炎は鍋底からはみ出さないようにすることも効率的に加熱するポイントです。
○給湯
お湯はりをするときは、水から沸かすよりも、給湯器のお湯を使って沸かす方(給湯方式)が、時短で、節約にもなります。
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