■Drum 和太鼓
◆芥川高校とたかつき和太鼓フェスティバル 和太鼓のリズムで人とまちをつなぐ
和太鼓は、古来、祭りや神事に欠かせない楽器として各地で受け継がれてきた。
高槻では平成5年の市制施行50周年に「新しい郷土芸能を」と、和太鼓団体「高槻太鼓」が始動。
芥川高校和太鼓部の活発な活動も、和太鼓をまちに定着させていった。
◇心を揺さぶる力強い響きで高槻を元気に
体が振動するような迫力ある音と、重厚な響き。独特の魅力を持つ和太鼓を高槻に広げるきっかけの一つとなったのが、高槻太鼓の主導で平成17年に始まった「たかつき和太鼓フェスティバル」だ。芥川高校和太鼓部も第1回から参加。同校は平成7年の創部以来、高齢者施設での演奏など地域の活動を大切にしながら、全国大会で何度も入賞する強豪校となっていた。フェスティバルには現在、他の高校やOBがつくった大学の和太鼓部、同校20周年記念に開いた市民講座のメンバーやPTAから誕生した団体など、さまざまな年齢層が参加。芥川高校は小さな音まで聴かせる表現力で、他の団体もそれぞれの持ち味を生かして、仲間とつくり上げた自信作を全身を使って演奏し、観客に元気を届けている。
地域のイベントや祭り、行事などでも、和太鼓の演奏は場を盛り上げ、一体感を生む。とくにアマチュアならではの一生懸命さや、自らも楽しみながらひたむきに太鼓を打つ姿には感動があるという。地域のきずなをつなぐ不思議な力が和太鼓には、ある。
・高校生から社会人まで市内の約10団体が出演する「たかつき和太鼓フェスティバル」は今年の3月で第20回。トリは芥川高校が高槻をテーマにしたオリジナル曲を披露するのが恒例に
・イベント出演や小・中学校での鑑賞会、高齢者施設慰問など地域に根差した活動も年間60回以上。昨年は神服神社の棒振り神事復活に協力
・「高槻ジャズストリート」にも毎年出演
・平成13年から世界11カ国で海外公演を実施。平成30年のポーランドの世界大会では特別賞を受賞
・話を聞いた芥川高校和太鼓部(計33人)メンバーと名誉顧問の山下先生。「お客さんと一緒に楽しめるイベントはやりがいがあって好き」と話す
※詳しくは本紙をご覧ください。
■Dance TED
◆Takatsuki Earnest Dancers みんなと磨く高槻のダンス
高槻まつりや青銅祭で「高槻ウェーブ」をみんなで踊るなど、高槻には小さな頃からダンスに親しむ環境がある。
高校生が主催するダンス大会の存在も、プロのダンサーを多数輩出するダンススクールや強豪校が多いこのまちにダンスが根付くベースとなっている。
◇自らつくる大会で高校生の本気を“魅せる”
高校生が企画・運営するダンス大会があるのは高槻くらいではないだろうか。始まりは、北摂の高校ダンス部のための大会「MVD」。そして平成21年、高槻の高校を中心に運営する「Takatsuki Earnest Dancers(TED)」がスタート。第10回(令和元年)には幹事校・三島高校の発案で発表会にコンテストが追加され、参加校が現在の15校規模まで拡大した。現在はTEDと、高校生を応援する専門家らの運営となったMVDの2つの大会が、高槻のダンス文化を担う人を育む場となっている。
TEDを運営するのは「リーダーズ」と呼ばれる生徒たち。顧問と一緒に内容から役割分担まで一つ一つ話し合いながら、自分たちでつくり上げる。今年度盛り込まれたダンスバトルも生徒のアイデアだ。なかでもリーダーズがチームになって踊る「ショーケース」は大会の見せ場。練習を通して仲良くなりながらスキルを磨き、応援し合える仲間になる。
リーダーズの経験はダンスへの向き合い方も変える。ここから生まれるコミュニティは、高槻のダンスに新たな可能性を広げていくだろう。
・三島高校は、令和5年は高校ストリートダンス選手権全国決勝大会、日本高校ダンス部選手権DANCE STADIUM全国大会などに出場
・「TEDは他の大会とは違う存在」「すべてが楽しかった!」と言う市内入賞高校のリーダーズたち
・TED10周年に三島高校で顧問となり生徒たちによる運営をサポートしてきた小林泰知先生。「TEDは生徒の企画を取り入れながら少しずつ大きく育っていると感じます」(現在は槻の木高校顧問)
※詳しくは本紙をご覧ください。
■Music 音楽
◆シンガーソングライターのハナフサマユさんに聞く いつも身近に音楽がある高槻のまち
「高槻ジャズストリート」など市民発の音楽イベントが盛んな高槻は「音楽のまち」としても知られている。
ジャズやポップスからクラシックまでプロの演奏家も多く、大規模ホールからライブハウス、商業施設の特設ステージなど、生演奏を楽しめる場があちこちにあるこのまちについて話を聞いた。
・総合センターのロビーやクロスパルでは定期的に無料のコンサートも
・本格的なクラシックコンサートも楽しめる高槻城公園芸術文化劇場は、ピアノの発表会など市民も幅広く利用可能
◇高槻というまちが音楽を育み、魅力に変える
「市民に根付いているイベントがあったり、いつも通る商店街に流行りの曲が流れていたり。暮らしのなかにはいつも音楽がありました」と言うのは、生まれ育った高槻を拠点に活動するハナフサさん。音楽を始めたのは3歳、近所の子も通うピアノ教室。小学5年生には父のギターでコードを覚え、作詞作曲をするようになった。高校生になるとまわりに音楽をする人が増え、富田のライブハウスに出演する友だちのバンドをよく観に行っていたのだそう。「ジャズストにも吹奏楽で出る友だちの応援に行き、高槻の人の音楽を愛する力を感じていました」と話す。
都市と自然が融合する高槻で出合った風景を曲づくりのモチーフにしながらプロになった今、「自分ももっと力をつけて、大好きなこのまちに音楽の力を届けられるようがんばらないと」と思うようになった。「例えば新曲のリリースイベントとか、若い世代が歌える場所がもっと増えれば、さらにいろいろな音楽が楽しめるまちになるのではないでしょうか」。
ハナフサマユさん
高槻出身・在住。映画『タイヨウのうた』に感銘を受けてギターを始める。
大学時代からライブ活動を本格化し、令和2年9月メジャーデビュー。
ストレートな歌詞とパワフルな歌声で幅広く活躍中
・市のオリジナルショートムービー「MY LIFE,MORE LIFE.」の作詞作曲を担当。豊かな自然や暮らしやすさなど自身が実感するまちの魅力を歌う
・ライブ活動のほか、高槻阪急スクエアなど市内のイベントにも出演
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