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自治体の皆さまへ

【クローズアップ2】誰にとってもやさしいまちへ(2)

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大阪府高槻市

■理解
全ての人が分け隔てられることなく、誰もが安心して暮らしていくために、障がいのことや障がい者が困っていること、それらにどう配慮すべきなのかを、まずは知り、理解することから始めましょう。

◆合理的配慮とは 社会のバリアを取り除くこと
合理的配慮は、社会の中にある障壁(バリア)を取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が、障がいのある人から伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応することです。
重すぎる負担があるときは、障がいのある人に理由を説明し、別のやり方を提案することも含め、話し合い、理解を得るよう努めることが大切です。

○負担が重すぎない範囲
例えば、従業員が少ないお店で混雑しているときに、「車いすを押して店内を案内してほしい」と伝えられた場合、話し合った上で、過重な負担のない範囲で別の方法を探すなどが考えられます。その内容は、障がい特性やそれぞれの場面・状況に応じて異なります。

○留意すること
事務・事業の目的・内容・機能に照らして、必要とされる範囲で本来業務に付随するものに限られること、同等の機会の提供を受けるためのものであること、本質的な変更には及ばないことに留意する必要があります。

◆合理的配慮の一連の流れ
○本人からの申し出や相談を受ける
個々の場面で障がい者本人の「社会的なバリアを取り除いてほしい」旨の意思表明(申し出や相談)を受ける

○意見を聞き話し合う(対話)
障がい者と事業者は、話し合い(建設的対話)を行い、共に相手のことを理解し、解決策を考える

○合理的配慮の提供
合意が得られたら、事業者は、配慮にかかる負担が過重にならない範囲で、必要な配慮を行う

■コラム 障がいの「社会モデル」 バリアは個人ではなく社会にある
社会モデルとは、障がいのある人が社会生活の中で受ける制限は、障がいのある人個人の責任ではなく、社会のさまざまなバリア(在り方や仕組み)によって作り出される、という考え方。合理的配慮もこの考え方に基づくものです。
一人一人が「社会」の在り方を変えようと努力し続け、障がいについて、私たちの社会の問題として考えることが重要です。

◆社会モデルの考え方
○階段しかないので、2階には上がれない
→「障がい」がある
車椅子の人は、何も変わっていない。変わったのは、あくまでも周囲の環境
「社会モデルの考え方」に基づけば、「階段」という障壁(バリア)があることで車椅子の人に「障がい」が生じていることになります

○エレベーターがあれば、2階に上がれる
→「障がい」がなくなった!
〔社会的障壁(バリア)の例〕
(1)社会における事物
通行・利用しにくい施設、設備など
(2)制度
利用しにくい制度など
(3)慣行
障がいのある人の存在を意識していない習慣、文化など
(4)観念
障がいのある人への偏見など

※右上の「社会モデルの考え方」の例は環境の整備の例で、行政機関や事業者などの努力義務です

■対話
合理的な配慮のためには、何ができるのかお互いに話し合い、考える「建設的対話」が重要です。あるイベントの運営に参加した障がい者と、団体の担当者とのやり取りから考えてみましょう。

◆情報を共有し、柔軟な対応を考える
合理的配慮の提供にあたり実現可能な解決策を見つけるために、障がい者本人が普段行っている対策や、事業者が今ある設備で活用できそうなものなど、お互いに情報を共有しながら、柔軟に対応策を考えることが重要です。

運営参加者:「お昼休みは人の多い休憩室が苦手です。別室を用意してもらえませんか?」

団体担当者:『部屋が余っていないので別室を確保することは難しいです。休憩室内をパーティションで区切りましょうか。』

運営参加者:「休憩室のざわざわした状況がダメなんです。パーティションでは改善しないです。」

団体担当者:『それでは、昼休みの時間を変更して、人が少ない時間帯に休憩室を使ってみてはいかがでしょうか?』

運営参加者:「それなら大丈夫そうです」。

■全ての人が安心して暮らせる社会へ 「理解」と「対話」を
市自立支援協議会 障がい者虐待防止・差別解消連絡会議
座長 守山篤さん
民間事業者にも義務付けられた「障がい者への合理的配慮の提供」。言葉を聞くと難しく感じるかもしれませんが、私たちが普段から自然とやっていることでもあります。
ここで大切なのは、障がい者の枠に当てはめ一律の対応を決めつけるのではなく、相手を知ろうとする姿勢です。「障がい者だから」と、過度に構える必要はありません。障がいの特性や、それぞれの状況に応じて、その解決策は異なります。あらかじめ具体例を確認し、想定しておくと、対応がスムーズになると思います。
これは、障がいの有無に関係なく、どんな人との関わり方でも同じこと。社会にはさまざまな人がいます。誰もがその人らしさを認め合いながら安心して暮らせる「共生社会」を目指す上で、「合理的配慮の提供」は、大切な気付きを私たちに与えてくれるのではないでしょうか。

問合せ:
障がい福祉課【電話】674-7164
具体的な相談は、福祉相談支援課【電話】674-7171へ

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