仕事も子育てもどちらも充実させ、楽しみたい。育児休業制度(以下、育休)を利用して、子育てに主体的に関わる男性が増えています。今号では男性が育休を取る意義について考えます。
ID:141815
・播磨誉和さんと昨年2月に誕生した咲空ちゃん。夫婦で話し合いせっかく取るなら長く取ろうと1年間育休を取ることを決めたそう。
■育休と男性
◆共働き家庭と男性の育児参画
共働き世帯が増加し、男女共に働きながら、子育てをする家族の形は一般的になっています。しかし、6歳未満の子どもを持つ男女の1週間の家事時間を調べた国の調査(令和3年)では、女性の家事時間は男性の3.9倍以上。男女間の家事負担率の偏りを解消することが課題となっています(右記)。
国では男性の育児参画を後押ししようと、1歳になるまでの子どもを育てる男女が育児休業給付金の対象となる「育休」のほかに、令和4年10月には「産後パパ育休」といった新しい制度も創設。夫婦が育休を柔軟に取得できるようになっています。国の調査(令和5年)では、男性育休を開始した人の割合は約30%と、前年調査の約17%よりも上昇。これは、産後パパ育休制度(※)を利用した男性が取得率を押し上げていて、さまざまな形で育休を取得する男性が増えていることが分かります。
※産後パパ育休…育児休業とは別に子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能。2回まで分けて取得することも可能
平成の時代に入り、女性が職業を持つことに対する意識が社会全体で大きく変化し、共働き世帯は年々増加している
↓
働く女性は増えたものの、いまだに女性が家事育児の多くを担っている
○6歳未満の子どもを持つ男女の1週間の家事時間 3.9倍
・男性…1時間54分
・女性…7時間28分
「社会生活基本調査」(総務省、令和3年)
◆男性の育休取得を阻むものは?
現状、収入面の懸念や業務の多忙さ、職場の雰囲気のほか、周囲からの理解が得られないケース、男性自身のさまざまな不安や思い込み(下記)によって取得に至っていないケースもあります。
また、18~25歳の若年層を対象とした意識調査(左図)では、男性の80%以上が育休取得を希望しているというデータもあり、結婚・子育てを安心して取り組める環境づくりが社会全体の課題となっています。
◆男性自身が感じる育休への不安や思い込み
○仕事や収入への不安
・職場の上司や同僚に嫌がられたり迷惑をかけたりするのでは?
・出世のタイミングに乗り遅れてしまう
・収入が大幅に減るのでは?
○役割への思い込み
・男性が外でしっかり働いて家族を養わないと
・家事育児は女性の方が向いている
・産後も仕事からすぐ帰るようにすれば育休は必要ない
Qあなた自身は、育休をどの程度取得したいと思いますか
「若年層における育児休業等取得に対する意識調査」(厚生労働省、令和6年)から作成
<この記事についてアンケートにご協力ください。>