日本では現在10人に1人が骨粗しょう症であるという統計がでています。また、その8割は女性であり、60歳代では5人に1人、70歳代では3人に1人、さらに80歳代では2人に1人が骨粗しょう症になっており、高齢化に伴い、さらに増加傾向にあります。
一方で、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」や「フレイル」、「サルコペニア」といった運動能力の低下や、筋力の低下などが指摘されています。健康寿命を延ばすというのは、単純に平均寿命を上げるのではなく、介護も必要としない動ける体を保っていくという考え方です。
骨粗しょう症になると、転倒による骨折のリスクが高まります。骨折を一度起こすと、二度三度と繰り返して起こす可能性があるため、介護を必要とする状態に陥ります。
骨粗しょう症の診断は、骨密度測定や血液検査、尿検査などで行います。まず、骨密度測定ですが、当院では特に正確な診断であるDXA法(二重エネルギーX線吸収法)の機器を備えており、通常の単純X線検査と同様に、受診日(初診日)に撮影診断することができます。
治療法は多岐にわたりますが、検査結果で骨量減少の程度から、判断・決定します。内服薬から開始することがほとんどで、その他、注射製剤も効果があります。
それとともに、適度な運動、日光浴なども骨筋肉の強化、ビタミンDの活性化などにつながるため必要となります。転倒リスクの高い方では、2、3週間のリハビリ入院で運動機能チェックと骨粗しょう症の程度の診断なども行うことができます。令和5年7月からリニューアルオープンした、当院本館6階の地域包括ケア病棟で主に行っています。
近々、骨粗しょう症・ロコモ外来を開設する予定です。まずは外来で骨粗しょう症の検査を行ってみることをお勧めいたします。
院長 佐本憲宏
問合せ:国保中央病院
【電話】0744-32-8800
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