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国保中央病院より 新型コロナウイルス感染症の5類移行を迎えて

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奈良県 三宅町

2023年3月に出された厚生科学審議会の報告によると、同年2月に日本赤十字社で献血した16~69歳の13,121名を対象に「新型コロナウイルスの感染(COVID-19)によって体内に作られるN抗体」の測定が行われ、その保有率は42.3%でした。
日本の全人口を対象とした調査ではないものの、計算上5,300万人が新型コロナに感染したことになります。同年3月16日時点で、日本では3,337万人がCOVID-19と診断されていたので、実際の感染者数と、把握されていた感染者数の間には、約2,000万人の差があります。
一方、3回以上のワクチン接種で免疫ができた人数は7,000万人弱と見込まれており、すでに感染したと考えられる5,300万人を合わせると、日本人口のおよそ90%は新型コロナに対する免疫を保持していたことになり、このことが第8波の感染者数急減の要因と考えられています。
感染症専門医の見解をみると、オミクロン株の感染で得られる感染防御免疫は長続きせず、感染直後から急速に低下し始めますが、重症化予防効果は長期間保持されるようです。
オミクロン株に対する免疫の急速な低下は、年に何度も罹患することがある通常の“かぜ”ウイルスを思い起こさせます。今後、新たな変異株が出現しないとも限りませんが、通常のかぜウイルスの仲間入りをする可能性が高く、インフルエンザと同様に、COVID-19の重症者や死亡者は高齢者に多く見られることが推察されています。費用面から治療薬がまだ使いにくい現状では、COVID-19対策の最も重要な柱は、ワクチン接種と考えられています。
COVID-19は5類感染症に移行しましたが、私たちが注意すべきことは、感染者数の急激な増加、流行の規模をなるべく小さく抑え、医療のひっ迫を避けることです。したがって、流行状況が悪化した時期には、マスク着用、こまめな手洗い、3密を避けるなどの感染対策が重要です。また、高齢者や基礎疾患のある方など重症化リスクの高い人は、ワクチン接種で免疫状態を保つことでご自身を守るようにしてください。
内科 吉川雅章

問合せ:国保中央病院
【電話】0744-32-8800

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