乳がんは、わが国の女性のがんの中で罹患する人(かかる人)が最も多いがんです。しかし、ステージIでの5年生存率は100%、ステージIIでも96.1%であり、早期発見・早期治療で治るがんとなっています。
乳がん検診は、国の指針(平成28年2月4日付)によりますと、対象は40歳以上で、問診・乳房X線検査(マンモグラフィ)が基本になっています。マンモグラフィ検査は、小さな石灰化(カルシウムの沈着で一部に悪性の場合がある)を検出するのに優れています。
しかし、マンモグラフィ検査は、高濃度乳腺の方の場合は病変が見つけにくいというデメリットがあります。若い方は乳腺が発達しているため、高濃度乳腺の方が多く、病変を見落とす可能性があります。
その点、超音波を使う乳腺エコー検査は、高濃度乳腺でも病変を見つけやすいのがメリットです。マンモグラフィ検査で隠れていた病変も、乳腺エコー検査で見つけられる可能性があります。
乳腺エコー検査は身体への負担がなく、妊娠中であっても可能です。仰向けに寝ていただき、超音波の伝わりをよくするためにゼリーを塗布して乳房全体を調べ、手を上げてわきの下のリンパ節部分も確認します。
マンモグラフィ検査にエコー検査を加えたほうが、がんの発見率が高いという報告があります。乳がん検診のマンモグラフィ検査で要精査となった方、自己触診により乳房にしこりがあると気付いた方、乳房にくぼみができる、乳頭や乳輪がただれる、左右の乳房の形が非対称になる、乳頭から分泌物が出るといった症状がある方、また、症状がない方でも乳がんの不安のある方は、当院外科にて検査を実施しておりますので、ご相談ください。
臨床検査技師 辻岡勢子
問合せ:国保中央病院
【電話】0744-32-8800
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