~食育と地産地消 給食で食べる特別栽培米を子どもたちが作る!~
「地産地消」とは、地域生産・地域消費のことで、「地域で生産された食材をその地域で消費する」という意味です。
三宅小学校の子どもたちは今年、この地産地消を目指して、夏前には自分たちで実際に苗を植え、秋には収穫するという“課外授業”を行いました。収穫したお米は、実際に学校の給食として、子どもたちの食卓に並びます。
「食育に取り組みたい」という学校の声を受けて、役場の担当部署が動き、地域の農家さんや農業委員さんのご協力を得て実現したこの事業。学校と自治体、地域が手を取りあい、子どもたちの未来を育む取り組みを取材しました。
インタビュアー:地域おこし協力隊 山川
■「地域の子どもたちのためにできること」 体験指導員・畑中秀規さんインタビュー
今回、農業指導や田んぼの管理などで、子どもたちの体験にご協力いただいた三宅町小柳の畑中秀規さん。今回の企画への想いをお聞きしました。
○最初にこの体験企画について聞いた時にどう思われましたか?
テレビや新聞で、他の市町村の子どもたちが田植え体験・稲刈り体験をしているのを見て、三宅町でもやれたらなと思っていました。ですので、産業振興課さんからお話をいただいた時は、ちょうどいいなと思いました。ただ引き受けたのはいいものの、上手くいくかなという心配はありました。無事に収穫まで終えることができたので良かったです。
○田植えや稲刈りでの子どもたちの反応を見ていかがですか?
関心がある子が多くて嬉しいですね。苗を植える前から田んぼを見に来てくれて。農業が衰退していく、農家が減っていく中で、子どもたちが関心を持ってくれて、笑ったり喜んだりしてくれるのが何より嬉しい。そのエネルギーを僕も貰っています。まだまだ頑張らなきゃいけないな、と(笑)
○体験を通して、子どもに学んでほしいことはありますか?
今まで何気なくご飯を食べてきたと思うけど、稲刈り一つとっても、昔は手作業で刈って、束ねて、干してと、一つの工程でも相当な人力がかかっています。今は機械を使うけど、逆に機械代がかかるなど、さまざまな手間がかかって、食卓に並ぶということを学んでもらえたらと思いますね。
■田植え体験・稲刈り見学レポート
◆6/20 田植え体験のレポート
収穫の約半年前、6月20日に田植えを行いました。三宅小学校の3・4年生約50人が一斉に田んぼに入り、手作業で苗を植えていきます。オレンジのウェーダーに身を包んだ子どもたちは元気いっぱい。指導員さんから植え方の説明を受けると、早速、田んぼの中に入り、泥だらけになりながら、懸命に苗を土の中に植えていきます。
その後は田植え機が登場。人力での田植えを経験したばかりの子どもたちは、田植え機の田植えスピードに大興奮!あちこちから歓声があがりました。
最後はお礼をいって記念撮影。子どもたちにとっては忘れられない体験になったようで、田植えをした後も、何度も田んぼに足を運び、稲が成長する姿を確かめに行った子どももたくさんいました。
◆10/25 稲刈り見学のレポート
コンバインによって、黄金色の稲穂がどんどん収穫されていくと、子どもたちからは大きな歓声があがります。稲をじっと見つめて構造を観察する子、収穫に使う鎌のスケッチに夢中な子、コンバインに乗せてもらった友達に手を振り続ける子。子どもたちは思い思いの姿で、収穫の様子を楽しんでいました。
ようやく暑さが落ち着き始めた10月25日。三宅小学校の5・6年生による稲刈り見学が行われました。6月に同小学校の3・4年生が植えた苗はすくすく育ち、1mほどの高さとなり、たくさんの穂が実りました。
まずは農業体験の指導をお願いしている畑中秀規さんより、鎌による稲刈りの実演を見せてもらいます。現在は農業機械を使った収穫が主流ですが、昔は一本一本、手作業で収穫していたことを伝えると、子どもたちは興味津々!身を乗り出して手作業での稲刈りの様子を見ていました。
続いて、コンバインによる収穫。希望者のうち数名は、運転席の後ろに同乗させてもらい、特等席から稲が刈られていく様子を見せてもらいました。
見学後、子どもたちに感想を聞くと、「面白かった」「初めて見た」と興味をもった様子。中には「田植えもしたかった」という子もいて、お米や農業に興味をもつ貴重な機会となりました。
○コンバインどうだった?直撃インタビュー!!
コンバインで稲刈り体験をした5年生の原野心陽さんにインタビューしました!
・コンバインに乗ってみた感想は?
普段の乗っている車とは違って、座席が高い位置にあるのでなんか変な感じ。でも、すごかったです!道はガタガタしてました。
・コンバインの運転席はどうだった?
ボタンやレバーがあっておもしろかったです!
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