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令和5年9月定例村議会 一般質問(1)

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奈良県上北山村

9月定例村議会において、2名の議員による一般質問が行われましたので、その概要についてお知らせします。

■森脇議員
問:
[里山の山林と森林の保全並びに景観について]
当村にとって登山者や太公望、サイクリストなど、趣味や観光で多くの方が来村されて、滞在と宿泊が日々継続できていくことは、実に大切なことだと思います。
名所名跡の際立つものがない当村でありますが、綺麗な水や空気、透き通った空とともに、四季を感じられる山々の景色の良さは、人々の心に憩いや安らぎを与え、感嘆をもたらしてくれているものです。
一方、林業界の低迷の長きにわたっていることは、人工的に造林してきた山林の手入れ不足を招き、森林の荒廃や木々の成長不良等に繋がっているため、昨今の集中豪雨の多さは林地の崩壊に繋がらなければいいがと心配しております。
里山における人工林も伐期齢を超えた山が多くなってきており、やはり手入れ不足か、密集して暗がり状態が目立つ山が増えてきております。
民家の近いところで事が起きれば一大事になりますので、近隣の山々の景観を良くする意味合いも含めて提案させていただきます。
環境美化整備事業として、里山の杉・桧人工林の間伐施業、出来れば強めの間伐(四~五割等)を村の主体で実施していただきたく思います。
そして空きや疎の大きいところは、地元調達の広葉樹を植栽し、針広混交の複層林を育成して、景観の増大を図ってもらいたいと思います。
しかし、里山は私有地が多いと思われるうえ、最近の林業情勢からして、負担金を出してまでの参加は考えられず、このことを進めるとすれば、私有地の皆様にご理解・ご協力をお願いしていかなければと思います。間伐の実施は、今や国民病とまでいわれる花粉症への対策にもなり、特に30年生以上の杉・桧は雄花の飛散を高めているため、間伐作業の実行が期待されると思います。

答:村長
里山が観光レクリエーションの場として多くの方々に利用されていることを誇らしく思います。
美しい自然環境や四季折々の景色は、心の安らぎを提供し、地域の魅力を高め、村の貴重な資産として、今後も維持していく必要があると認識しております。
一方、林業の低迷や手入れ不足による森林の荒廃、それを起因とする集中豪雨による危険性については、認識しておかなければならず、さらには、里山の生態系や地域社会に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。
ご提案いただいた環境美化整備事業は非常に重要で、その事業の一つである奥山から針広混交林への誘導を積極的に進めるべきと考えます。
しかし、多くの森林所有者は、針広混交林へ誘導することは、山という財産を捨てることというマイナスイメージを持っており、従前通り杉や桧を植えることにより、将来へ期待するように思います。
そこで公有林を活用し、一つの区画を皆伐し、天然更新を誘導する事業を行うことにより、森林の公益的機能を充実させ生物多様性を進めるなど、、将来負担のない森林へ更新すべきと考えます。
一斉に行うと、山林の崩壊に繋がる恐れがあるため、順を追って行わなければいけません。また、村の財政状況や地域の状況を考慮した結果、負担金を出すことが難しい場合は、他の資金調達方法や奈良県との連携を模索し、国の真似をせず、独自の歩掛を検討し、まずは一つ見本となる、綺麗な山を作らねばならないと考えます。
林業の補助金は、森林所有者の手元には入らず実施事業体の手元に入りますが、出材経費等見合わず収益性が期待できないため、これからは新たなことを考えていかなければいけないと思います。
また、間伐作業が花粉対策に寄与すること等、そのメリットを地域住民に広く周知し、間伐への理解を進めていきたいと思います。
環境美化整備事業は、村の景観向上のみならず、地域経済活性化や生態系保護にも寄与するものであり、地域住民と協力し、今後、民有林での実施に向けた計画を策定することが、里山の魅力を維持し持続可能な未来を築くことが期待できる事業であると考えます。
村の将来と山の関係は非常に密接であり、今後も皆様とご意見を重ねて参りたいと考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。

■福西議員
問:
[関係人口の創出について]
人口減少は本村に留まらず、日本全体の大きな課題であり、人口減少による少子化は、静かなる有事と言われています。
本村においては、子育て支援、住民福祉の充実や、定住者人口の拡大等、種々の事業努力により新たな成果も生み出していることに関して、大いに評価するところであります。
しかし、それでも年々人口減少に歯止めがかからない状況下であり、持続可能な地域社会を創造創出することが喫緊の課題となっております。
人口減少、少子高齢化が急速に進む本村において、地域力を維持強化するために、多様な地域づくりの担い手確保という観点に基づき、村が一体となり、外部人口とも連携し、村外から上北山村の力になってくれる人材、「関係人口」を増やす取り組みが重要だと考えます。
地域や地域の人々と多様に関わる関係人口の方には、観光地への訪問をきっかけに、移住に至る人もいれば、特産品の購入やふるさと納税など、地域ファンとして思いを寄せ地域に関心を持ち、貢献しようとする人も存在します。
本村では、2020年3月に策定された「第2期上北山村総合戦略」において、外部人材と連携することによって、新たな資源や見どころの発見、特産物作り等を進め、魅力の向上を図るとありますが、関係人口の創出について、村は現在どのような取り組みを行っているのか、現状と今後の方向性をお伺い致します。
また、関係人口の創出については、村が一体となった対応が必要と考えます。新たな会議体を拡大発展させるなどした取り組みを進めてはいかがでしょうか。

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