文字サイズ
自治体の皆さまへ

診療所だより-健康づくりのアドバイス-vol.100

15/20

奈良県上北山村

上北山村国民健康保険診療所
医師 浅香幸久

■脳卒中
村民の皆様いかがお過ごしでしょうか。
夏の暑さも幾分か和らぎ、朝晩は過ごしやすい季節となってきました。今年は暖冬の予報も出ており、雪などが少なければいいなと考える今日この頃です。
さて、今回の診療所だよりでは、秋から冬に多くなる病気である脳卒中、またその予防法についてお話ししたいと思います。まず脳卒中ですが、これは脳梗塞、脳出血、くも膜下出血という3つの病気の総称です。いずれも冬に多くなる病気ですから、これから特に注意が必要です。簡単にそれぞれの病気を説明します。
脳梗塞は脳の動脈に血栓が詰まる病気、脳出血とくも膜下出血は脆い血管や動脈瘤などが破れることで出血する病気です。いずれも、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化、肥満症などの生活習慣病を基礎疾患を持っている人でなりやすいといわれています。また脳梗塞に関しては心房細動という不整脈を持っている方でも起きることがあります。
またなぜ冬に起きやすいかというと、冬は朝晩の寒さが厳しい一方で室内は暖房で温められているため、環境の温度差が大きく血圧が変動しやすく血管にかかる負荷が大きくなるためといわれています。冬場のお風呂などはその最たる例といえます。
基礎疾患の治療をしっかりと受けていただくことは前提として、以下に挙げるような工夫をすることで少しでも発症リスクを下げていただければと思います。
先ほどお話したように温度差から生まれる血圧の変動が問題となるため、環境の温度差を生まないようにすることが重要です。
具体的には、外に出る際にはしっかりと防寒をする、また、脱衣所を入浴前に温めておく、などです。また特に温度差が生まれがちだと思われるのが、リビングと廊下です。
脱衣所は暖房で温かくしている人でも、廊下は誰もいないのにつけておくのはもったいないということで暖房をつけていない人は多いと思います。確かに誰もいない廊下を温めておくことはもったいないと一見思われますが、トイレに行くために寒い廊下に出たことで脳卒中になってしまうかもしれません。
特に日本家屋では廊下は冷たくなりがちなので、日本人は特に注意が必要ともいわれています。普段の日常生活で少し工夫をしてみることで、怖い病気のリスクを下げることができますので、ぜひ皆さんも実践してみてください。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU