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自治体の皆さまへ

医療者に『自分を伝える』準備をしよう~言えることで癒える~

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奈良県上北山村

誰しも医療機関に受診した時は緊張して、自分の考えを伝えるのが難しい経験はあるのではないでしょうか。特に医師に対しては、理解できなくても、『分かりました』と答え、診察室を出ていませんか。そこにはいくつかの理由が考えられます。

■白衣の医師と診察室の独特な雰囲気に緊張し、悪いことを考えてしまう
・怖いことを言われたり、嫌なことをされるんじゃないだろうか
・こんなこと聞いたら馬鹿にされるんじゃないか

■患者さんが多くて忙しそう
受診におけるこの心理状態は、自分の心をマイナスに向けてしまいます。あたかもそれは試験や試合で失敗する時の状況に似ています。試験や試合の場合は、合格するために、優勝するために、勉強したり練習したりして準備しますよね。
医療機関を受診するときも同様で、自分を伝える準備が必要だと私は考えています。

具体的には以下の2点をまとめておくと良いでしょう。
1.これまでどんな病気にかかり、今何に困り、何をして欲しいのか
2.これまでの私、今の私、これからの私
発熱や腹痛など、急な症状で受診する場合は、1だけでも十分だと思います。ただ、慢性経過の病気(いわゆる持病)や、その後の人生を大きく変えてしまうような病気(がん、脳梗塞など)にかかったことのある方、あるいはその治療中の方などは、2が重要になってきます。
特に、[これからの私]を考える上では、[これまでの私]を振り返り、[今の私]を考えて、言語化しておくことが重要です。一つの方法として、白紙に縦軸と横軸を描き、横軸に年齢を、縦軸に自分の状態を示すこととします。よかったこと・よくなかったことを人生の波を描くようにグラフで表現し、波の山・谷でそれぞれどのような出来事があったのかを書き込んでいくのです。これをライフラインチャートといい、自分の人生の振り返りに大変役立ちます。
ご自宅でご家族とライフラインチャートを描くと、自分を伝える準備だけにとどまらず、感謝と希望が生まれ、気持ちがプラスになり、医療者にも言いやすくなることでしょう。

奈良県医師会

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