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自治体の皆さまへ

診療所だより Vol.101

13/18

奈良県上北山村

上北山村国民健康保険診療所
医師 浅香幸久

■気管支喘息
上北山村のみなさん、12月を迎え寒さ深まり雪のことも気にかかる今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?コロナ5類変更後初めての年末ということもあり、いろいろとご旅行などの計画を立てている方もいらっしゃるかもしれません。コロナが気になりお子さんやお孫さん、親族の方と過ごすことを控えていた方も今年こそはと楽しみに思われている方もいらっしゃることでしょう。
冬場はありとあらゆる病気が増えたり悪くなったりする季節ですが、そんな中でも特に冬場に悪化しがちな「気管支喘息」に関して今月はお話したいと思います。

まず「気管支喘息」という病気に関して、おおまかに説明したいと思います。気管支喘息は単に喘息と呼ばれることも多いですが、基本的には喉のさらに奥にある気管や気管支(さらに奥に行くと肺があります)に何らかの刺激が加わり、それに反応した気管や気管支の壁が腫れて空気の通り道が狭くなり、息が吐けなくなることを言います。息が吐けなくなると当然吸えなくもなるので、呼吸ができなくなります。刺激としては主にアレルギーの原因(アレルゲンといいます)となるもので、ダニ、ハウスダスト、ペット(犬や猫の毛)、花粉、食べ物などです。またアレルゲン以外にも誘因となるものがあり、運動やたばこ、風邪などの気道感染、黄砂などの大気汚染、冷気などです。故に冬場は喘息が悪化しやすくなります。また特に冷え込む夜間や早朝に悪化しやすいことも特徴です。
最近でこそ喘息のいいお薬が開発されて、気管支喘息で亡くなる患者さんはめっきり減りましたが、数十年前まではたくさんの患者さんが亡くなる病気でした。そのため、喘息の方には口を酸っぱくして吸入薬や内服薬をしっかり使ってねと外来ではお伝えしています。普段から起きにくくしておくことが何よりも重要だからです。小児から高齢者まで男女問わず一定の方が持っていらっしゃる病気であるため、周りの方も配慮が大切です。
特に喘息患者さん本人が喫煙されることはもってのほかですが、喘息患者さんが周囲に居られるような環境では喫煙は控えていただきたいです。喘息は発作が起きてしまうとなかなか止まりにくく、緊急避難的にお渡ししているお薬(メプチンという薬をお守り代わりに処方していることが多いです)を使ってもヒューヒュー、ゼーゼー言ってるのがなかなか治まらないことも多いので、そんな時には診療所まで相談していただけるとよいかと思います。

最後になりますが、冬はコロナやインフルエンザ、他のウイルスによる感冒などが多くなるシーズンです。5類移行後ではありますが、誰でもウイルスはもっていると思って、入念な感染対策を行っていただければと思います。

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