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自治体の皆さまへ

診療所だより-健康づくりのアドバイス-vol.98

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奈良県上北山村

上北山村国民健康保険診療所
医師 浅香幸久

■脱水、熱中症について
心地よい春の季節も過ぎ、ジメジメとした梅雨の季節がもうすぐ来ようとしている今日この頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、今月の診療所便りのテーマは「脱水、熱中症」に関してです。去年も同時期に同じような内容を掲載しましたが、改めて注意していただき、健康にこの夏を乗り切っていただきたいと思います。
熱中症ですが簡単に言うと脱水状態が長く続き、体温が下げられなくなった状態のことを言います。なぜ脱水状態になると体温が下げられなくなるかというと、人間は汗をかくことで体の表面に水分を出します。それが蒸発して乾く際に気化熱として体から体温を奪っていきます。気化熱として体から熱が逃げていくことを利用して、人間は体温を下げています。従って汗として水分を体外に出す余裕もない脱水状態では、人間は体温を下げられなくなり、体温が高い状態が続く「熱中症」となってしまうのです。一般に真夏のカンカン照りの日に熱中症が起きると思われがちですが、そこまで暑くないジメジメした日なんかにも、汗をかいたとしても水分が蒸発していかないので、体温をあまり下げることができずに熱中症になってしまいます。ですからこれからの梅雨の季節なんかも要注意です。すでに熱中症になりうる季節に入っていると思ってください。つまるところ、脱水状態が極まった状態が熱中症ともいえるので水分補給をしっかり行うことによって、熱中症のリスクを格段に下げることができます。ですから、村民の皆様にはこまめに水分補給をしていただくことをお願いいたします。こまめに少量ずつ摂り常に体をうるおしておくことをイメージしてください。あくまでも一例ですが、起きている時間を12時間とした時に1時間ごとに最低100mLずつは水分を摂っていただくのも有効です。ただし、心臓や腎臓の悪い方では、1日当たりの飲水量の制限をされている方がいらっしゃる可能性があるので、そのように指導されている場合には主治医の先生の指示に従ってください。 
夏を元気に乗り切るためにも生活の中で少しずつ水分を摂ることを始めてみましょう。

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