答:村長
(1)健康増進計画、その計画での取り組みについて
平成15年施行の健康増進法の中で、都道府県については策定義務、市町村については努力義務として位置づけられております。
本村においては、奈良県吉野保健所の協力を得て、平成15年に第1次として、健康かみきた21計画を策定し、その後、平成30年に第2次計画を策定しております。
この計画期間は12年間で、令和11年度までの計画で、現行計画となっております。
この計画につきましては、国民健康保険運営協議会において審議いただき、策定しておりますが、公表はされておりません。
従いまして、議員が目にすることはなかったと思われ、この点については大変申し訳なく思っております。
今回のご質問を契機にホームページ上にて公表させていただきますことを報告いたします。
さて、健康増進計画ですが、健康寿命の延伸に向けての現状分析、課題抽出、目標及び対策を記載しておりますが、三次予防としての健診結果を活用した疾病の治療・重症予防・合併症の発生予防の事項にまでは踏み込んでおりません。
実はこの計画とは別に、このような項目に踏み込んだものとして、データヘルス計画というものがございます。
健康保険法や国民健康保険法により、すべての健康保険の保険者が医療情報や健診結果の情報等データ分析に基づいて、被保険者の健康課題に対応した効果的な健康事業を実施できるよう策定するもので、平成27年度より策定を義務付けられております。
本村におきましては、国民健康保険被保険者を対象として平成30年度に第1期計画を策定し、昨年度、健康保険運営協議会でのご意見を頂戴した上で、第2期計画として令和6年度から令和11年度までの6年計画を策定いたしました。内容としては、特定健康診査事業、いわゆるメタボリックシンドロームに着目した健診、そして特定保健指導事業、つまりは健診結果から生活習慣を見直すサポート等の事業はもちろん、他にも糖尿病性腎症重症化予防事業、高血圧症、高脂血症等の生活習慣病重症化予防事業を掲げ、疾病の重症化予防に取り組んでいるところで、計画の評価対象事業の評価指標として、例えば血糖値ではHbA1c8%以上の者の割合や、血圧では収縮期130以上、拡張期85以上の者の割合等、標価基準の数値での見える化により、目標に対しての進捗状況が容易に把握でき、国民健康保険運営協議会の場にて進捗状況を毎年協議及び評価をしていただいているところです。また、平成20年からは、高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて、生活習慣病に関する特定健康診査及びその結果に基づく特定保健指導を実施することとなっており、同法により保険者は特定健康診査等実施計画を6年1期で策定しなければならず、本村においても、第4期計画を本年4月に策定しておりますが、その内容は、現状分析と課題抽出、そして検診受診率目標や保健指導実施率目標を掲げているものとなっております。
このように、国の方針の基準、健康に関する計画が細分化されていることにより図らずも取組の達成状況の見える化が進んでいると感じているところであります。
しかしながら、村民の目に見えづらい状況でありますので、各種計画のホームページ上での公表等を進めていきたいと思います。
次にさらなる健康寿命の延伸に向けた政策についてですが、生活習慣病予防、病気の早期発見、そして健診結果を活用した保健指導が重要で、これらは村民自らが自覚して行動を起こすことが基本となります。
そのために、今後も広報周知を行い、実情に応じた保健事業を展開し、また定期的な評価を継続的に行うことが大切と考えており、一朝一夕には結果が出ないとは思いますが、村民の健康寿命の延伸に繋がると考えています。
(2)フレイル予防について
10年ほど前から「フレイル」という言葉が、医学用語で「虚弱」と解されています。
このフレイルがキーワードとなり、フレイル予防対策が高齢者の自立に繋がると国からも示されているところです。
本村では、国の動きより、いち早く介護予防という観点から、フレイル予防と同意義の対策として、対象者を65歳以上として、高齢者筋力向上トレーニング事業を平成15年度から開始しているところでございます。
また、本事業は、健康寿命の延伸にもつながる事業といえます。
事業の内容は、週に1回ではありますが、筋力維持向上を目的に椅子での運動、ストレッチボールやエルゴサイザー、これは室内での自転車マシンですが、これを使用しての運動を行っています。
また、運動だけではなく、参加者同士の交流の場となっており、脳の活性化やコミュニケーション能力の維持に役立っていると思われます。
一年の参加延べ人数は500人、実参加人数は16人となっております。
この他にも単発ではございますが、スポーツインストラクターを招いての運動教室や過去にはヨガ教室等運動要素を取り入れた教室も実施しています。
また、社会福祉協議会委託事業として実施している認知症予防を中心とした「ワイワイ座談会」の中でも、何かフレイル予防となり得る事業を試行するなど検討し、今後は低栄養予防教室や口腔ケア等の事業展開にもさらに力を入れ、高齢者の方々が今後も元気で自立した生活を維持できるよう介護予防事業を実施して参ります。
■福西議員
一点目の質問の中の計画における実施率・受診率の目標設定、ポイント制度の設定と活用というのも聞きたかったのですが、ポイント制度があるのか、ないのか、ない場合は、今後やることがあるのかお聞きします。
答:遠藤保健福祉課長
ポイント制度の活用について、現在のところやっておりません。
受診率ですが、本村が今56.6%と奈良県内では1位の受診率となっております。
県内平均が38.7%ということで非常に高い数値を保っておるところです。
そういったこともあり、ポイント制度をやっている自治体もありますが、本村ではまだ取り組んでいないという現状です。
目標率については、本村は60%という数字を掲げており、目標に達していない状況ですのでポイント制度の活用も含めて受診率が向上するような方法を今後検討して参りたいと思います。
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