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令和6年3月 定例村議会(1)

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奈良県上北山村

一般質問

■福西議員
問:真に災害に強い上北山村の実現について
私たちはかつて1995年1月の阪神淡路大震災、2011年3月の東日本大震災、2016年4月の熊本地震、そして今年1月の能登半島地震という四つの大きな地震によって、防災減災対策に関する多くの教訓を得ました。
南海トラフ巨大地震の発生が危惧される中、直近の能登半島地震を考慮しながら、改めて防災体制について災害応急対策の確立や、自主防災体制の充実を推進し、地震、道路災害、土砂災害等の災害に対する防災減災対策の強化が重要だと考えます。
そこで2点お伺い致します。
(1)昨年12月23日国道169号下北山村上池原地内で道路災害が発生し、いまだ通行止めが続いており、一刻も早い復旧並びに、恒久的な安全安心な道路整備の強靱化が求められます。
そんな中、下北山村前鬼から下北山村上池原において、延長3kmのトンネル「(仮称)下北山道路」が来年度から設計に着手できるよう「事後保全から予防保全」に大きく舵が切られようとしております。
上北山村から下北山村池原間は、昭和30年から40年代に国策事業として実施された池原ダム施工のための工事用道路がそのまま国道として利用されており、河合から前鬼間は、今回発生した災害現場同様、甚大な災害が発生するリスクが高い区間であることから、道路整備改良の事業化を推進する必要があると考えますがご見解をお伺い致します。
(2)上北山村にとって国道169号は「命の道」です。
悲惨な道路災害が繰り返されないよう「道路災害の再発防止」をすべての村民とともに、周辺自治体も強く望んでおり、本村においては「上北山村過疎地域持続的発展計画」の中で、国道169号「伯母峯峠道路」について「国・県との連携を図り早期の整備完了を推進する」と示しております。
平成28年4月に国による権限代行事業として新規事業化され、平成30年11月から工事着手しておりますが、現況は2月末に「西原地区発生土受入整備工事」の入札が執行され、令和7年12月工期で工事を進められると思われますが、しかしながら、当初計画より進捗が大幅に遅れているのではと不安の声もあります。「伯母峯峠道路」2.9km間の道路整備の加速化が望まれますが、着工から5年間、現時点での整備率と今後の展望をお伺い致します。

答:山室村長
それでは福西議員のご質問にお答え致します。
(1)まず、昨年12月23日に発生した国道169号下北山村上池原地内の道路法面の崩壊においては、車2台が巻き込まれ、うち1人が重傷、1人の方がお亡くなりになるという重大な事態が発生したことは誠に残念でございます。
事故が発生して以来、早75日が経過致しましたが、未だなお全面通行止めが続いております。
今回の崩壊規模は延長約20m~30m、高さ約40m、深さ約4m~5m、崩壊土砂量はおよそ4千立方メートルであるとのことであります。
現場は昨年5月に、法面の一部が剥落し仮設防護柵を設置し、信号機による片側交互通行を実施しており、本年1月より復旧工事に着手する予定でありました。
今回の崩壊の原因について専門家の意見として、岩盤と土壌の凍結と融解が繰り返し発生したことにより、岩盤の緩みが進行したのに加え、長年の地震や豪雨等が影響して、複合的な要因で土砂崩れが発生したと考えております。
そこで1点目の質問でありますが、この国道169号については、これまでも国、県に対し長年道路整備について要望活動を実施して参りました。
令和3年7月には奈良中部熊野道路が高規格道路として位置付けされ、令和4年4月には重要物流道路として位置付けられ、合わせてその中の工区である伯母峯峠道路が事業区間に、下北山村前鬼から上池原が計画区間に指定をされました。
まさに今回の崩落箇所は、重要物流道路の計画区間として指定されていた区間であり、令和6年度の県予算にて、仮称でありますが、下北山村道路として新規事業化が予定されております。
今回の事故を受け、今年1月に国道169号改良促進三村協議会において、国土交通省等への新規事業化への要望活動を行ったところであります。
その際、国の道路局の幹部からも、県と歩調を合わせ進めていくとの言葉もいただいております。
この事業については、前鬼橋の架け替え工事とあわせ、前鬼から上池原交差点までの約3kmをトンネル区間として計画されております。
議員ご質問の通り、上北山村から下北山村間は、狭隘なトンネルを含め今回の災害現場同様、甚大な災害が発生するリスクの高い区間であることは十分認識しており、どこで今回と同じような事故が起きてもおかしくないと思っております。
今後は、河合から前鬼はもとより、川上村から三重県領域を含めた国道169号全域の道路整備について、事業化を要望して参りたいと存じますので、議員各位のご協力をお願い致します。
(2)伯母峯峠道路の進捗状況でありますが、平成28年度に新規事業化を決定した後、平成30年12月に工事が実施され、現在、上北山村側の2号橋及び関連附帯工事が実施されております。
事業の進捗率については、令和5年3月末時点で事業進捗率16%、用地買収進捗率59%と伺っております。令和5年度予算については、当初補正を含め、2億4千500万円の事業規模であり、これまでは川上村側の用地取得が難航していることがありますが、近畿地方整備局が策定している防災・減災、国土強靱化に向けた、道路の5ヵ年対策プログラムにおける災害に強い国土幹線道路ネットワークの機能強化対策にある通り、令和7年度にトンネル本体工事の着手予定となっていることから、予算の確保に向け、関係各位への要望活動を積極的に実施して参りたいと考えております。

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