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下北山村 森のしごと記 -第2回-

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奈良県下北山村

地域おこし協力隊の長柄(ながら)です。4月から始まった隔月投稿「森のしごと記」は、おかげさまでご好評⁉を頂き、無事、第2回目の投稿を迎えることができました。前回4月号では鋼鉄の決意「選木」についてご紹介しましたが、今回はその舞台となった下北山村の「滝の谷」と「奈良型作業道」について記してみます。

■滝の谷
「滝の谷」は、下北山村寺垣内にあり、歴代地域おこし協力隊の諸先輩方々が努力を重ねて作業道を切り開くとともに、現在でも、私のような林業初心者の練度向上のトレーニングを兼ねつつ、道の改良延伸を施しながら拡張されている里山の林業施業地です。昨年、初心者の私はこの「滝の谷」で間伐を行うための非情ともいえる「選木」を教わるとともに、
・選木した立木の「伐倒」
・伐倒木を丸太にする「造材」
・造材した木を集める「集材」
・集材した木を市場や製材所に持っていく「搬出」
という各工程を実体験として学びました。また、これら間伐の活動を円滑に行うために敷設される作業道は「奈良型作業道」と呼ばれ、その造成技術を学ぶ場としても「滝の谷」が活用され、現在約700mの道が標高差100mの急傾斜地に築かれ、地域おこし協力隊員育成の母となる※施業地「滝の谷」として慕われております。

■奈良型作業道
さて、この「滝の谷」で行われている作業道づくりは、間伐した木を市場や製材所に運び出すため、2tダンプが走れるぎりぎりの幅で作られています。ぎりぎりで作る理由は、山を過度に傷つけないためです。道幅が広くなればなるほど路面部分の木を余計に伐らねばなりませんし、山の斜面を切り取る部分も大きくなり、結果として崩れやすくなってしまいます。この利益と不利益が相反する環境において、できるだけ山の自然環境を保全しつつ、森の成長を助ける整備と伐り出される木材資源を有効に活用するために生み出された工法が「奈良型作業道」です。「奈良型作業道」は、奈良県の急峻な地形、脆弱な地質、日本有数の多雨地域等の自然特性を踏まえて、壊れにくく繰り返し使用できるよう奈良県独自の基準で作られています。下北山村地域おこし協力隊では、毎月3回(年36回)、この「奈良型作業道」造成のスペシャリストである岡橋一嘉先生をお招きして工法指導を受け、造成技術向上に努力しています。この頻度で岡橋先生から直接教わることができる環境はとても貴重であり、今年度入隊の金原さんは、林業経歴20年の大ベテランですが「奈良型作業道」に惚れ込み学びたい一心で下北山村協力隊を志願してきたそうです。ちょっとドキドキしています。私、「奈良型作業道」知らずに村に来て…下北山村ってこんなに恵まれた所だって知らなくて。。。超ラッキ~(^^)/

つづく

※2023年現在、協力隊員育成エリアは佐田、池峰にもあります。

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