10月10日(木)、次世代を担う高校生に、行政、議会への関心を高めてもらうことを目的として、今回で6回目となる高校生議会を開催しました。
県立十津川高等学校2年生が4班に分かれ、それぞれ議員となり、選出された乾議長のもと、さまざまなテーマで質問を行い、村長や各課長が答弁しました。
この高校生議会には、同校の1年生も傍聴席で見学し、議会の仕組みなどを学びました。
■1班 谷瀬の吊り橋の点検と情報公開
Q:学校で吊り橋について話し合った際に、スリルを味わえるゆえに、安全性の面で少し不安に感じたと意見が出ました。谷瀬の吊り橋は、十津川村公式ホームページ「十津川村十のスポット」の一番目に紹介され、注目を浴びることの多い人気スポットです。また谷瀬の吊り橋を生活圏の一部として使っている村民もいます。いつの時期に、どの部分を、どれくらいの期間で、どのような方法で、谷瀬の吊り橋の点検を行っていますか。
また、インターネットで調べましたが、直近で吊り橋がどう点検されたか記す資料を探し出せませんでした。多くの観光客や村民が安全性を一目見て分かるようなサイトや資料がありましたら、お教えいただきたいです。
A:村は、生活の道である村道、主に林業用の道である林道、農業用の道である農道で、あわせて268橋を管理しています。このうち、谷瀬の吊り橋も含め、40橋が吊り橋です。
村道に架かる吊り橋を含めた橋の点検は、平成26年度から5年に1度の定期点検が義務化されました。点検方法は近くから目で見る「近接目視点検」です。その他にも、日常の道路パトロールに併せて実施する「通常点検」や、地震や台風など災害の恐れがある場合に行う「異常時点検」などがあります。
谷瀬の吊り橋は、法律改正以降、平成27年度と令和2年度に定期点検を行っており、次回は令和7年度に予定しています。なお、2回目の点検時に、吊り金具の擦り減りが見つかったため交換を行っており、また、敷板については随時交換を行っています。
点検方法について、吊り橋の場合は橋梁点検車や梯子などは使用できないため、ロープアクセスという方法で点検を行います。外部委託した専門の点検作業員一人一人が安全帯を装着し、ロープでぶら下がりながら点検を行う方法で、危険が伴ううえ、多額の費用と時間がかかります。最近ではドローンを利用した点検技術も構築されつつあり、今後はこのような新技術も取り入れて点検を行っていきたいと考えています。
定期点検の時期や補修計画などをまとめた資料を、十津川村橋梁個別施設計画として、村のホームページにも掲載しています。現状では一目で分かる資料とは言い難いですが、ご覧いただくことで点検状況が分かり、安心していただけるのではないかと思います。
■2班 道の駅駐車場の拡張
Q:道の駅を地用する人々から駐車場が狭いという声をよく聞きます。十津川村の道の駅は23台しか駐車できません。奈良県内の他の道の駅と比べると少ないと思われます。
そこで、湯之原の体育文化センターを活用して河川敷に駐車場を設置し、パークandライドとして道の駅の第二駐車場として運用できないか検討をお願いします。
A:ご指摘のとおり、近隣市町村でおよそ50台以上の駐車が可能な道の駅が多い中で、本村の道の駅は23台の駐車スペースしかなく、駐車場の狭さは大きな課題でした。
しかし、隣接していた診療所の解体により出来たスペースを道の駅の駐車場とし、新たに19台駐車が可能となりました。また、休日は役場の駐車場を開放していますので、加えて20台の駐車が可能です。すべて合わせると62台となり、十分ではありませんが、一定の水準は確保できたと考えています。道の駅からも以前と比べて駐車場の混雑がなくなったと聞いています。
パークandライドについて、令和5年度における道の駅の年間利用者は約26万3千人、谷瀬の吊り橋では約12万人、玉置神社では約6万7千人であり、十津川村の観光地は都市部から簡単に来られるような場所ではない山間部ですが、多くの観光客が来訪しています。
本村では、観光地までの道路や駐車場が狭いという課題を抱えており、パークandライドのアイデアは、道の駅に限らず谷瀬の吊り橋や玉置神社で応用ができるのではと考えています。また、今年度、実証実験として、玉置神社や空中の村、瀞峡や道の駅を繋ぐ周遊観光バスを9月から運行しています。今後は、この実績も踏まえながら、安心・安全に観光ができる施策を展開していきたいと思います。
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