■3班 ふるさと納税
Q:十津川村のふさと納税は木を利用した家具などがほとんどです。一方でふるさと納税の人気ランキングや月間ランキングを確認したところ、シャインマスカットやうなぎなどの食材が上位を占めています。このことからふるさと納税を利用している人にとって食べ物に需要があるといえますが、十津川村のふるさと納税はその食品が少ないと感じます。
そこで、十津川の特徴を活かしたジビエの返礼品の作製を地元の業者にお願いできないでしょうか。また、ふるさと納税には直接地元に来ていただく体験型のものもあり、十津川の自然を活かした体験が提供できるのではないでしょうか。例として、笹の滝でのシャワークライミング体験などのふるさと納税の実現は可能でしょうか。
A:十津川村の返礼品は家具や日用雑貨といった木工品が多い状況です。ご提案いただいたジビエについては、ペット向けのジャーキーを返礼品として提供いただいています。
また、本村には、ウナギやアユなどの川魚や山菜といった山の恵みもあります。どれも安定して供給し続けられるほどの収穫量を確保するのが難しいのが現状ですが、季節限定や先着5名など、デメリットを希少価値やイメージアップに転換して提供する方法がないかなど引き続き検討していきたいと考えています。
村には、発送できる商品が乏しく、ふるさと納税返礼品が少ないという課題があります。この問題の解決の糸口となるのが、ご提案いただいた「体験型」のふるさと納税であると、我々も考えております。宿の宿泊券や、ゴルフ、レジャー施設の利用券など、全国でもさまざまな体験型ふるさと納税が提供されており、本村でも、宿泊事業者様と相談し、宿泊プランのふるさと納税返礼品の拡充を図っています。
ご提案いただいたアクティビティについては、過去、十津川村でロッククライミングやシャワークライミング、キャニオニングができるスポットはないかと、専門家を招いて検討したことがあります。葛川など複数の候補地を確認しましたが、十津川村の山や谷が急峻であることから、安全確保が難しいという点が大きな課題になりました。
体験型のふるさと納税は、車での移動が難しい人に向けた、タクシーで村内観光地を周遊する季節ごとのプランや、瀞峡でのサップ、カヌーの体験コンテンツなども返礼品として提供できるよう、前向きに検討したいと考えています。
■4班 道幅の拡張と道路の整備
Q:十津川村にはガードレールが無く道幅が狭い車道があります。このままでは、観光客や遠方から来た人が運転しにくいと思われます。近畿経済産業局が十津川村の課題点の一つとして、不便なアクセスを上げていました。その他にも、口コミで実際に訪れた観光客が、道の険しさや、狭い道幅を懸念する意見が多くありました。具体例として、空中の村や玉置神社に行くときの道幅の狭さや、谷瀬の吊り橋から少し北へ進んだところの二車線から急に一車線になっている箇所があります。
そこで、道路の整備や二車線への改修を県にお願いしていただくことは可能でしょうか。
A:国道168号(五條〜新宮間)は五條新宮道路と称し約130km区間が高規格道路として指定を受け、国や県により整備が進められています。村内の国道・県道は、大字上野地にある奈良県五條土木事務所が管理していますが、工事の難易度が高い部分は、国土交通省が代わりに工事を行っています。
国道168号は国道168号とともに、京奈和自動車道、近畿自動車道紀勢線と結ぶと船の錨の様な形をしていることから、「紀伊半島アンカールート」と称し各所で工事が進められています。
今年1月1日の能登半島地震で明らかになったように、半島地域では道路が生命線です。巨大地震発生の確率は、今後30年以内で約80%、40年以内で約90%ともいわれています。道路整備は南海トラフ巨大地震をはじめとする災害から紀伊半島を守る、安全・安心の道としても大変重要な位置づけにあります。平時は生活や産業振興、非常時は緊急輸送、復旧・復興を担う道路として一日も早い整備が必要とされています。
これまで奈良県内では、工事が必要な箇所約40kmのうち、国や県により17kmが完成しています。十津川村内では1車線区間約5kmと、2車線ですが急なカーブが多い危険な区間が工事中であり、長殿道路、宇宮原工区、風屋川津工区、十津川道路II期の、計15kmが国土交通省により工事を行っています。また、村外では、奈良県により新天辻工区7.2kmが工事中であり、完成すると天辻峠を越えずに済むため、積雪の心配が大幅に軽減されます。
道路整備には多額の費用が必要です。山間部での道路整備に必要な予算確保のために、県や市町村、各種団体が力を合わせ、国土交通省や財務省、また国会議員への要望を絶え間なく行っています。
次に、国道168号からの枝線となる、空中の村への道路である国道425号は奈良県が、玉置神社への道路は村が管理をしていますが、道路予算が限られた中で、優先順位を付けてさまざまな工事を行っています。全ての道路を良くするのは難しい状況ですが、道路管理者には道路を安全に維持する義務がありますので、しっかり管理して参りたいと思います。
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