◆11月は児童虐待防止推進月間です
児童虐待に関する相談対応件数は依然として増加傾向にあり、特に子どもの生命が奪われるなどの重大な事件が後を絶ちません。児童虐待は、決して特別な問題ではなく、「どこでも」「誰にでも」起こりうる問題です。地域や身近にいる第三者が、子どもと子育て家庭を「見守る」意識をもつことが大切です。
オレンジリボン運動は、「子ども虐待のない社会の実現」を目指す市民運動です。オレンジリボンは、そのシンボルマークであり、オレンジ色は子どもたちの明るい未来を表しています。
◇「もしかしたら、児童虐待?」と思ったときは・・・
「子どもに理由のはっきりしないアザが絶えない」
「いつも同じ服を着ていたり、衣服が汚れている」
「家に帰りたがらない」など
このような子どもは、児童虐待を受けているかもしれません。虐待を受けたと思われる子どもを見かけたら、ためらわずにご連絡ください。連絡することで救えるのは子どもだけではありません。虐待をしている保護者も、誰かに助けて欲しいと思っている場合があります。あなたの連絡が保護者の支援にもつながります。
◇児童虐待に関する相談先
奈良県中央こども家庭相談センター【電話】0742-26-3788
奈良県高田こども家庭相談センター【電話】0745-22-6079
吉野町長寿福祉課 地域福祉担当【電話】32-8856
◇子どもにつらく当たってしまいそうなあなたへ
1人で抱え込まず、児童相談所相談専用ダイヤル「【電話】0120-189-783」へ電話してください。子どもにとって、そしてあなたにとっても、決して悪いことにはなりません。
◆医学メモ 起立性調節障害
起立性調節障害(以下OD)は、思春期の子どもたちの約1割が発症すると言われる頻度の高い心身症の一つです。立っていると気持ちが悪くなる、朝起きにくい、少し歩くと動悸や息切れがする、食欲不振、全身倦怠感、頭痛、めまい、乗り物酔いしやすい等の症状があり、特に午前中に調子が悪くなる傾向があります。症状が強ければ、日常生活に支障をきたすこともあります。原因としては、自律神経機能の不調による起立時の脳への血流低下と考えられていますが、遺伝的素因、生活習慣、心理社会的ストレスなども大きく影響します。ODには4つのタイプがあります。起立直後から血圧低下がみられ、血圧の回復が遅れる起立直後性低血圧(INOH)、血圧低下を伴わず著しい脈拍増加を認める体位性頻脈症候群(POTS)、起立直後の血圧低下はないものの数分経過すると血圧が低下してくる遷延性起立性低血圧、起立中に意識消失を伴う神経調節性失神(NMS)です。
検査は起立後の血圧低下や脈拍数の変化を確認します。現在は、血圧が低下している時間などを自動で測定できる血圧計が開発され、検査も簡易にできるようになりました。
治療法としては規則正しい生活リズムを心掛け、塩分1日10g以上、水分2L以上を目標に摂取するようにします。日中は身体がだるくても、あまり横にならないようにし、散歩などの軽い運動をすることも有効です。タイプによってはお薬を服用することで改善する場合もありますので、症状が気になる方は一度検査を受けられることをお勧めします。
奈良県医師会
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