毎回「薬草」に関わる内容を連載でお届けするコラムです。
■カワラヨモギ
茎が伸びてくると葉の裂片(れっぺん)が糸状に細くなり、毛もなくなりツヤのある緑色に変わります。冬と夏の状態が極端に違うので、別の植物かと思うほどです。全草を採集して、乾燥したものが茵蔯蒿(いんちんこう)ですが、一般には頭花だけを採集して、茵蔯蒿として使われています。冬から早春の柔らかそうな葉を集めたものは、綿茵蔯(めんいんこう)として中国でよく使われます。この茵蔯蒿または綿茵蔯を、一日十~二十グラム煎じて飲めば消炎(しょうえん)、利尿、利胆(りたん)、解熱、去痰(きょたん)作用があり、肝硬変をはじめ肝臓疾患に使われ、黄疸や肝炎、胆嚢炎、胆石症、膀胱炎、尿毒症、高血圧、胃けいれん、じんましんなどにも使われます。特に皮膚がかゆくてつらい人は、茵蔯蒿か綿茵蔯百~二百グラムを多量の水で炊き出し、生薬ごと風呂に入れて入浴すると皮膚のかゆみがなくなります。
※当市で「薬草活用講演会」をしていただいた村上光太郎先生の連載より一部抜粋
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