山添村にて古文書調査を開始して2024年3月で10年となりました。その始まりは、毛原構造改善センターで実施した毛原地区の古文書調査でした。それから毎年2月または3月に二日間と9月の二日間といったペースで調査を続けてきました。
会場は波多野公民館・五月川センター・東豊館と村内の各施設を利用して進めてきましたが、最近は、東豊館で実施し、本年2月27日・28日にも奈良大学文学部史学科学生18人と史学科教員6人で調査を進めました。
費用は大学の特別研究費を活用して始めましたが、この10年の間に村と大学で連携協定が結ばれ、現在は村の予算も使って調査が進められています。関係者のみなさんのご理解・ご協力にはあらためて感謝申し上げます。
調査の方法はいたって地味なもので、一点一点の古文書に関するデータ(何年何月何日のものか、あるいは誰から誰宛に出されたものかなど)を調書に記録していくことが基本となります。ときには分厚い冊子や絵図、木に書かれた棟札など多様なものも見られ、学生だけではなく教員にとってもたいへん勉強になるものばかりです。
歴史とは失われた過去ですが、その過去に書かれた古文書は現代まで残っており、歴史そのものであると同時に貴重な証言者とも言えます。その証言に耳を傾けて、失われた過去を復元していくことで、現代人も知らない山添村の歴史が浮かび上がってきます。
そのような古文書がもし、ご家庭に残されていましたら、ぜひ教育委員会へお声がけください。誰も知らない山添村の新たな歴史が発見されるかもしれません。
(奈良大学 河内将芳)
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