4月から村内の山林を少しずつ歩き、現況把握に努めています。スイスの優れたフォレスターは担当しているエリアの山林管理にてもっとも大事なこととして、「1に観察、2に観察、3に観察」と言います。かつて県内の林業会社で総務の仕事をしていた時にも、その経営者に「もっと現場を知るためにも、時間があれば社有林に行くように」とおっしゃっていただいた記憶を思い出します。地に足をつけた課題解決ができるよう、山とこれから向き合っていこうと思います。
そのような中、地域の森林と真剣に向き合い、行動をされている方々にお会いしました。「地域で育む里山づくり事業」として景観保全等のために山を整備してくださっている村内の有志団体が神野山グリーンクラブ様、切幡営農組合様、ブックカフェひろせ様と3団体あり、今回はブックカフェひろせ様の里山づくり事業に参加しました。現場は名張川の入川道周辺の竹林整備。「美しい里山風景を復活させたい」という想いのもと、地域の森林所有者さんと協定を結び、同級生の仲間達と共に山林の整備をされています。
この取組では、近畿大学農学部環境政策研究室のゼミ生が手伝いに来てくれており、12名の学生と一緒に竹を伐採する作業を行いました。皆さんの頑張りにより、集落から名張川が見えるようになるなど、少しずつ景色も変わっていきました。
このように自分たちだけでどうにかしようとせず、幅広く知ってもらう為に、様々な人が関わることは非常に大事であり、村外の人、新しく入ってきた人、一度外へ出て戻ってきた人など、みんなで一緒に地域の未来を考えることの大切さを痛感しました。そして地域を良くし、山を良くするのも、想いをもった「人」なのだと認識することができました。いつの日か学生たちも、どこかでこの経験をふと思い出し、自分たちの故郷を想い、良い行動に繋がるように願いたいものです。
この里山整備事業は、森林環境税を財源に整備費の一部補助をしています。山の整備をしようにもご自身が動くのが大変な方も多数おられると思います。
スギ・ヒノキの人工林であれば、「施業放置林の整備事業」というメニューで間伐を行い、森林環境を保全し、公益的機能の維持増進を図る事業があります。ぜひご相談下さい。現地調査等に伺います!
塩﨑慎也
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