■おかげ通り ~オドリコミ~
場所:山添村大字菅生(すごう)
年代:文政13年(1830)〜現在
説明:「おかげ踊り」は、江戸時代に日本全国で流行した集団的で大規模な伊勢神宮への参拝(おかげ参り)に付随した踊りです。
菅生の住民は、それぞれの「伊勢講(いせこう)」に参加していて、4年に1度だけ参拝人を決めて、伊勢参り(4月初旬)を行っていました。参拝人が伊勢参りから帰ってきた翌日に「アシヤスミ」として参拝人の家で宴会を催しました。この宴会に「仮装」して行くことを「オドリコミ」と言い、宴会の場でお酒や料理のおもてなしを受けました。このオドリコミの際に踊ったのが「おかげ踊り」です。
現在まで、受け継がれている民俗風習としてとても珍しいものです。
■五輪塔 ~時空を超えた円と角の造形美~
場所:山添村大字西波多(にしはた)(上津(かみづ))
年代:正中2年(1325)
説明:鎌倉時代の作である郷塔(ごうとう)と呼ぶ大きい五輪塔が山添村内に9か所あります。そのうちの1つが西波多(上津)の増福寺(ぞうふくじ)にあります。銘文には「正中二乙丑年四月□日大願一結衆念仏衆敬白」と彫られており、昭和41年9月20日村指定有形文化財に指定されています。
郷塔と呼ばれる大きい五輪塔は、春日(かすが)、大西(おおにし)(極楽寺(ごくらくじ))、菅生(すごう)(西庵(にしいおり)、にしなん)、上津(かみづ)(増福寺(ぞうふくじ))、下津(しもづ)(善成寺(ぜんせいじ))、中峰山(ちゅうむざん)(墓の入口)、中之庄(なかのしょう)(小丘の頂上)、広瀬(ひろせ)(西迎寺(さいこうじ))、片平(かたひら)(浄明寺(じょうみょうじ))にあります。
五輪塔(ごりんとう)は円と角を組み合わせ、密教(みっきょう)でいうところの空・風・火・水・地の5つの要素を表現した塔で、複雑な立体面が調和(ちょうわ)して独特の美しさがあります。
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