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いにしえの風 斑鳩文化財センターだより

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奈良県斑鳩町

■「いかるがパークウェイ」計画地の発掘調査
今回は、「いかるがパークウェイ」の建設にともなう発掘調査の成果について紹介します。
▽「いかるがパークウェイ」とは
国道25号の交通混雑の緩和や交通安全の確保、法隆寺などの観光拠点へのアクセスの向上を図るために計画されたバイパス道路の愛称です。
計画区間は、西端が三室交差点で、東端は斑鳩町と大和郡山市との行政境付近の幸前までの約4.7kmで、このうち、西端の三室交差点から小吉田交差点までの間の約1.5kmが開通しています。また、小吉田交差点から東へ服部川を越え、中央体育館西側を南北に通る道路(町道404号線)までの間で、現在、工事がすすめられています。

▽令和4年度の調査について
「いかるがパークウェイ」では、道路建設に先立ち、遺跡の有無を確認するための発掘調査(試掘調査)を実施しています。発掘調査は、平成12(2000)年度に、小吉田1・2丁目地内で初めて行われました。
令和4年度は、令和4年8月から令和5年2月にかけて、イツボ川の東岸から東へ約200mの範囲で調査を行いました。
調査の結果、調査範囲の西端から東へ約120mの間では、中世から近世頃までのものと思われる素掘りの溝などの農耕に関わると考えられる遺構が見つかりました。一方、そこから東へ約80mの範囲では、これまであまりみられなかった古墳時代の土器が比較的多く出土しました。特に、「L」字状に曲がる溝からは、完全な形をしたものを含む多くの土器が見つかりました。溝から東に離れた場所からは、古墳の副葬品などにみられる耳環(じかん)(イヤリング)が1点出土しました。また、出土遺物が少ないため明確な時代はわかりませんが、古墳時代から古代のものと考えられる直径が40~50cmの円形をした柱穴も見つかっています。
このように、令和4年度の調査地の東半分では、古墳時代の遺構や遺物の出土がみられるなど、斑鳩の古墳時代を知るうえで重要な成果を得ることができました。

発掘調査にご協力いただいたみなさん、ありがとうございました。
今後とも、発掘調査の実施に、ご理解とご協力をお願いします。
また、令和4年度調査の速報展を開催します。展示会の詳細については、下段をご覧ください。
みなさんのお越しをお待ちしています。

■斑鳩文化財センター速報展
令和4年度に実施した「いかるがパークウェイ」の建設に伴う発掘調査の成果を紹介する展示会を開催します。
期間:7月22日(土)~8月27日(日)午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
場所:斑鳩文化財センター情報コーナー
展示品:須恵器(すえき)、土師器(はじき)、耳環など
観覧料:無料

問い合わせ:斑鳩文化財センター
【電話】0745-70-1200

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