森林整備に係る地域おこし協力隊員は、令和5年度末で1名になりますので、本年度も引き続き隊員を募集することとし、1名分400万円を予算計上いたしました。体制的には、あと2名程度の募集も是とし、良い人材が確保できそうな場合には、補正予算で対応したいと思います。
継続事業としては、混交林誘導整備事業委託料2,000万円、美しい森林づくり基盤整備事業補助金約2,170万円、林道吉野山鳥住線開設工事2,200万円など、先人が築いてくれた黒滝郷の持続可能な林業に関係機関とともに取り組んでまいります。
観光振興関係につきましては、道の駅のキュービクル更新に係る事業費1,300万円、森物語村に設置してあるキュービクル更新に係る設計費529万円、他にも黒滝の湯浴室改修工事に係る設計費、道の駅ウッドデッキ改修費、観光施設修繕費等も予算計上いたしております。
黒滝村地域活性化センター(旧南都銀行)の活用につきましても引き続き募集を行い、選定審査会による公正な審査のもと、最適な団体に運営を委ね、地域の活性化に向けての新たな起爆剤となることを大いに期待します。
プラン4の『明るく笑顔いっぱいの地域づくり、公正で活気のある村組織の構築』につきましては、農業の振興、文化作品の創作、健康増進等に取り組む事業として今年度も村民が一同に取り組み、共に参加頂けるよう、わかすぎふれあい祭りの必要経費を計上するなど、プラン1とも通じて、地域に暮らす村民の皆さまが仲間としてつながり、郷土を愛して明るく幸せに暮らしていくことができますよう、積極的に推進してまいりたいと考えています。
令和6年度から第9期介護保険事業計画、第10次高齢者福祉計画がスタートします。介護保険料は、前回の計画より500円引き下げ6,000円とさせて頂きました。
また、高齢者が、生きがいを持って安心して生活できる環境を実現するために、村職員、社会福祉協議会(地域包括支援センター)が「チーム黒滝」として、互いに協力し、自立支援・重度化防止の取組を進めてきました。住民主体のいきいき百歳体操を実施する「通いの場」は、村内8か所、9大字で立ち上がり、虚弱な方も気軽に集い、生きがいづくり・介護予防の成果が現れていると考えております。結果として介護保険の給付費が抑制され、保険料を引き下げることにも繋がっております。
今後もさらなる成果を醸し出し、住み慣れた地域で健康に暮らしていけますよう、高齢者の保健事業と介護予防の一体的事業を継続して実施、支援をしてまいります。
ただいま説明申し上げた以外にも、国が統一化・基準化する基幹業務システムへの改修、一部電子決済化を行うなど、行政のデジタル化を推進するための予算とともに、庁舎修繕計画作成費や空調設備の更新、公共施設点検調査費など、庁舎等公共施設の適正管理・監修のための経費も計上し、将来的展望にも備えていく所存であります。
一方、これらの予算を執行するための原資となる歳入予算につきまして、まず、森林環境譲与税は歳出側でもご説明申し上げました通り、昨年度より約1,000万円の増額を見込んでいます。
本村の主要財源であります地方交付税は、普通交付税が前年度より2,100万円増額の7億3,100万円、特別交付税は1,100万円減額の1億7,900万円を見込み、合わせて9億1,000万円を計上いたしました。
あふれる緑のふるさと寄附金は、昨年度の実績見込みを踏まえ300万円増の1,800万円を見込んでいます。
繰入金につきましては、財源不足分を財政調整基金から約1億5,409万円、地域デジタル推進基金1億3,400万円、ふるさと応援基金繰入金2,000万円などを繰り入れ、財源の確保を行いました。
村債につきましては、主だった事業として自家発電設備7,230万円、地域優良賃貸住宅整備事業4,170万円、農林トレーニングセンター屋根改修4,520万円をはじめ、国・県補助事業費、ソフト対策費などに充てるべく起債額を計上いたしました。
なお、これらの起債は交付税算入率が有利な辺地債及び過疎債、緊急防災・減災事業債などを充てることとしています。
総じて、現時点における財政状況は、概ね安定しており、先にも述べましたとおり積極的な予算編成に臨みましたが、財源には簡易水道事業の長期改修工事等による多額の起債借り入れを行う計画ですので、今後におきましては実質公債費比率が約10%近くになることも予想され、中・長期な財政計画のもと、最適化をめざした行財政改革に取り組んでいかなくてはならないことも申し添えます。
黒滝村長
植田 忠三郎
<この記事についてアンケートにご協力ください。>