■感じるのは、自然のすごさ
紀野國 正勝(きのくに まさかつ)さん(松) ハマボウフウの会 前会長
仙台新港に新仙台火力発電所ができて30周年となる平成14年(2002年)に、東北電力が婦人会などの地域の皆さんとともに取り組み始めたのがこのハマボウフウの会です。
ハマボウフウは、私が小さい頃には浜に行けば普通にありましたが、会が発足した頃はほとんど見かけなくなっていました。ようやく増えてきたと思ったところに2011年3月の東日本大震災でした。
あれは奇跡だね。震災直後に見た菖蒲田は、ハマボウフウが自生していた場所の砂が津波で流され、てっきり全滅したものとばかり思っていました。6月にもう一度見に行ったところ、なんと13株が残っていて、7月には3株に花が咲いたんです。
ハマボウフウの普及は試行錯誤の繰り返しでした。たかがハマボウフウ、されどハマボウフウだと今、つくづく思います。
普通に種をまいてもなかなか芽が出なかったため、ハマボウフウの自然の姿を観察し続けました。原因は種の中になかなか水分が浸透していかないためだったんです。それが一冬、雨風にさらされ、凍結を繰り返しているうちに種の表面が劣化し、だんだんと水分が浸透していき発芽に至ることがわかってきました。残念ながらそこまでは誰もわからなかった。
土をかけすぎると土の中で種が守られ表面が劣化しづらいことや発芽する温度に上がりにくくなり発芽が遅れることもわかりました。3年後に芽を出したこともありました。
また、海岸で砂だけのところはなかなか芽が出ず、松の木や草のそばだと芽が出た時があったんです。松の木や草のおかげで水分が保たれていたんですね。自然界での共生ですね。今だから特に感じることは、自然の力のすごさです。自然はこうすればこうなるというものではない。風や雨の力、波の力など、いろいろな条件が重なって、ちょうどいいバランスになった時に一気に芽を出し、広がっていきます。
今、誰もが自然を汚してはいけないことをわかっています。しかし、ごみを捨てないことなどはできますが、一人ではどうすることもできないことばかりです。
せめて、夕食の時などに環境のことを話題に出し、一人でも多くの意識が変わり、行動につながったらと思っています。
自然をなめてはいけない。そういった意識をつないでいくことが大事なのかなと思います。
ハマボウフウを通じて、多くの皆さんに出会いました。友達が増えるということは一人一人の一言、一言が勉強になります。素晴らしい友達ばかりです。
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